◆SH2768◆ベトナム:労働法改正の最新動向② 井上皓子(2019/09/10)

ベトナム:労働法改正の最新動向②

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 井 上 皓 子

 

3.試用期間

 草案では、試用期間についての規定が全般的に改正されることが提案されている。

 現行法においては、労働契約とは別に試用契約を締結することが前提とされており、試用期間での業務が満足のいくものであった場合は、期間満了後に新たに労働契約を締結するものとされていた。そのため、実務上、試用期間の満了と共に、本契約を締結せず雇用関係を終了することも多く見られた(現行法26条)。

 これに対し、草案では、現行法の枠組みを維持する案の他に、労働契約の中で試用期間について規定し、試用期間満了後は特に新たに契約を締結することなく、自動的に本契約に移行するという別案が提示されている(草案24条オプション1)。このオプションが選択された場合に、試用期間満了時に雇用関係を終了することのできる要件は特に定められていない。したがって、使用者が、試用期間満了後、本契約に移行することなく雇用関係を終了させるためには、試用期間中に、労働者が試用期間に関する規定に定められた要件を充足していないことを理由とし、かつ1勤務日前までに通知することにより解除の手続きを取る必要がある(草案27条オプション1第2項)。試用期間の翌日も引き続き業務に従事している場合は、本契約に移行したものとみなされるため(草案27条オプション1第1項)、その後は、通常の解雇の手続きを経なければ解雇することができない。

続きはこちらから

この他のアジア法務情報はこちらから

 

(いのうえ・あきこ)

2008年東京大学法学部卒業。2010年東京大学法科大学院修了。2011年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2018年より、長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス勤務。
現在はハノイに駐在し、日本企業による事業進出、人事労務等、現地における企業活動に関する法務サポートを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

長島・大野・常松法律事務所は、弁護士約400名が所属する日本有数の総合法律事務所です。企業法務におけるあらゆる分野に対応できるワンストップファームとして、国内案件及び国際案件の双方に豊富な経験と実績を有しています。

東京オフィスにおいてアジア法務を取り扱う「中国プラクティスグループ(CPG)」及び「アジアプラクティスグループ(APG)」、並びにアジアプラクティスの現地拠点であるシンガポール・オフィス、バンコク・オフィス、ホーチミン・オフィス、ハノイ・オフィス、上海オフィス、ジャカルタ・デスク及びアジアの他の主要な都市に駐在する当事務所の日本人弁護士が緊密な連携を図り、更に現地の有力な法律事務所との提携・人的交流を含めた長年の協力関係も活かして、日本企業によるアジア地域への進出や業務展開を効率的に支援する体制を整えております。

詳しくは、こちらをご覧ください。




メールで情報をお届けします
(毎週火曜日・金曜日)

サイト内検索