◆SH2748◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第58回) 齋藤憲道(2019/09/02)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

5. 知的財産の管理

(1) 知的財産を活用してビジネスを作る

② 無形資産(ソフト)中心のビジネス

1) 著作権ビジネス

 流通の変化やICT (情報通信技術)の進歩に伴って著作権関係のビジネスは大きく変わり、これに伴って著作権法が頻繁に改正された。

  1. (注1) 情報は、紙、絵画キャンパス、フィルム、サンプル(試作品)、レコード、CD・DVD・ブルーレイ、電子媒体(USB・SDカード・HDD等)等に固定されて利活用される。この、固定技術の進歩が著しい。
  2. (注2) インターネットの普及と情報の処理・伝達の高速化・大容量化によって高画質映像の送受信や複写が可能になり、放送・通信分野で著作権・肖像権・個人情報保護等の問題が生じている。

 多くの著作権ビジネスは、次の「(1)著作者の権利」と「(2)著作隣接権」を契約で組み合わせて作られる。

  1. (注) 映画は、多くの権利・人員・資金等を投入して制作されることから、著作権法で著作者・著作権者・保護期間等に関する特別なルールが設けられている。

(1)著作物の著作者(=創作者)に「著作者の権利(著作権)」として、次の著作権(財産権)、及び、著作者人格権が与えられている。

  1. (注1)「著作権」という用語には広義・狭義の用方があり、誤解しないよう注意が要る。
  2. (注2) 職務上作成される著作物の著作者は、原則として法人である。

 著作権(財産権)は譲渡が可能であり、具体的には複製権、上演権・演奏権等の支分権として権利行使される。

 著作者人格権には公表権・氏名表示権・同一性保持権があり、著作者の一身に専属して、譲渡できない。

(2)著作物等を伝達する者に、それぞれ次の「著作隣接権」が付与されている。

 実演家には、実演家人格権と財産権(許諾権、報酬請求権)が付与される。

 レコード製作者には、財産権(許諾権、報酬請求権)が付与される。(人格権は無い。)

 放送事業者には、財産権(許諾権)が付与される。(人格権は無い。)

 有線放送事業者には、財産権(許諾権)が付与される。(人格権は無い。)

 ところで、特定の権利者(作家・作詞家・作曲家等の著作権者、歌手・演奏家・俳優等の著作隣接権者)が、全国の利用者から使用料を適切に(無断使用を見逃さずに)回収するのは、難しい。

 そこで、多くの権利者が、著作権等管理事業者に自分の著作権・著作隣接権の管理を委託し、同事業者が回収した全使用料の中から管理手数料を控除し、その残額から自分の使用実績相当の分配金を受け取る制度を利用している。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)




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