◆SH2730◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第55回) 齋藤憲道(2019/08/22)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

2. 経理の基準(規程等)

(2) 不正会計の防止

 粉飾決算や脱税が後を絶たず、問題が生じるたびに、不正会計の再発防止策が議論されてきた。その例を次の①~④で示し、それぞれの効果について筆者の見解を記す。

① 経営者・従業員に対する意識改革と企業倫理の教育

 社員の遵法意識に期待する方法であり、企業経営の本筋である。

 しかし、社員の倫理的な義務感に期待するだけでは、再発防止策として不十分であり、経理処理プロセスの中で「牽制手続」を強化する等の具体的な防止策を併せて実施する必要がある。

② 経理システムのさらなる定型化・自動化の促進

 経理業務の多くは、既に、定型化されてコンピュータで処理されている。この自動処理の割合をさらに高め、そこに牽制システムや異常検出システムを組み込めば、人の恣意的な操作によって生じる不正会計が減ることが期待される。

 また、会計の原理は世界共通であり、先端的なシステム監査手法が開発されると、直ちに世界に普及することが可能である。

 ただし、システムのプログラムの中に組み込まれて行われる不正行為を発見するのは難しく、厳しいシステム監査が必要になる。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)




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