◆SH2729◆ベトナム:サイバースペース上の個人情報保護法制(下) カオ・ミン・ティ(2019/08/21)

ベトナム:サイバースペース上の個人情報保護法制(下)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 カオ・ミン・ティ

 

 前回に引き続き、サイバー情報セキュリティ法(法86/2015/QH13号)の規定を中心に、ベトナムにおけるサイバースペース上の個人情報保護法規制について概説する。

 

5. 第三者提供

 個人情報処理者が取得した個人情報を第三者に提供や共有するためには、本人の同意の取得が必要である(同法17.1条c)。ここでいう第三者には定義がないため、日本法とは異なり、個人情報を委託先に提供することや、他者と共同利用するような場合においても少なくとも文言上は本人の同意が必要となるように思われる。また、上記のとおり、個人情報を取得する際には、同法17.1条aに基づきその取得及び利用の範囲及び目的について本人の同意を取得する必要があるところ、第三者が提供を受ける場合も同法17.1条aの適用があるように読めるため、個人情報の第三者への提供に際しては、第三者への提供に対する同意とともに、当該第三者による利用の範囲及び目的についても同意の取得が必要なように思える。もっとも、これらの同意は第三者への提供時に併せて取得することが可能かつ簡便であろう。なお、日本法のような、オプトアウトにより同意なく第三者への提供を認める制度は存在しない。

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(かお・みん・てぃ)

2003年慶應義塾大学商学部卒業、2003年-2006年日本IBM勤務、2009年慶應義塾大学法科大学院卒業、2010年日本国弁護士登録(第一東京弁護士会)、同年長島・大野・常松法律事務所東京オフィス入所、2016年Duke University School of Law卒業(LL.M.)現在は同事務所ホーチミンオフィスに勤務し、主に、ベトナムへの事業進出や現地企業の買収、既進出企業の現地でのオペレーションに伴う法務アドバイスを行っている。

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