◆SH2681◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第48回) 齋藤憲道(2019/07/22)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

4.代金回収(営業、経理)

(2) 電子決済に対応する

 近年、インターネットを介して行われる物品・コンテンツ・サービス等の売買・提供・代金決済のビジネスが拡大してキャッシュレス化が進展し、これまで現金決済(現金払い)されてきた取引分野にもスマホ等を用いたキャッシュレス化の波が押し寄せている。

 現在、世界各国で電子的手段を用いたキャッシュレス化が進んでいるが、日本ではまだ現金決済の比率が高い。そこで、日本政府は、取引データの蓄積・利活用による新たな付加価値創出、事業者の現金処理生産性向上、消費者の支払い利便性向上等を目的として、日本市場におけるキャッシュレス決済比率を高める取り組みを始めた。

 企業は、これまで以上に、決済の電子化の動きに積極的に対応する必要がある。

  1. 〔キャッシュレス化が進む要因〕
  2. ・ 国別にみると、現金(紙幣、貨幣)に対する信用が小さいこと(偽札が横行)、寒冷地で冬季の現金輸送が困難であること、高額紙幣が流通していないこと、窃盗・横領等が懸念されること等が挙げられる。
  3. ・ 飲食店のレジ入金や保険金の集金の業務において電子化が進んでいる。電子化すれば、担当者による金銭の着服がなくなる。(受発注等の業務全体の効率化にも大きく貢献する。)

 電子決済が普及するためには、例えば次のような課題を克服する必要がある。

① 情報セキュリティ管理体制を確立する。

 電子決済が拡大すると、そこで動く資金を狙う不正やトラブルの増加が避けられず、決済システム全体に係る高度な情報セキュリティの確保が必須である。

 企業の業務監査においても、金銭・顧客情報等の電子情報を対象にする「システム監査」が欠かせない。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)




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