◆SH2593◆法務担当者のための『働き方改革』の解説(36・完)――副業・兼業(2) 栗原誠二(2019/06/10)

法務担当者のための『働き方改革』の解説(36・完)

副業・兼業(2)

TMI総合法律事務所

弁護士 栗 原 誠 二

 

XIX 副業・兼業

3 実務上の留意点

(1) 副業・兼業を認める手続をどうするか

 改訂後のモデル就業規則の内容や近時の裁判例の傾向を鑑みると、従来多くの会社が採用してきた「副業・兼業は原則禁止とし、例外的に許可することがある」といった規定のもとで、実際に「厳格な許可制」の適用を続けることは、法的リスクがあると言わざるを得ない。

 一方で、例外なく自由に副業・兼業を認めてしまうと、会社の秘密情報が外部に漏洩する等の悪影響が生じたり、従業員が副業・兼業に多くの時間をかけることにより、労働効率が落ち、また従業員の健康状態が悪化するリスクが増加することが懸念される。よって、許可制にせよ届出制にせよ、これらを防止するための対策を講じる必要がある。

 許可制を採用(又は継続)する場合には、上記のような弊害が生じないような副業・兼業であれば、一定の要件を満たすことを条件に積極的に許可を与えることが望ましく、一方で届出制を採用する場合であっても、副業・兼業の具体的な内容や勤務先、労働時間等については必ず申告させた上で、上記のような懸念が生じる場合は、内容を変更させたり、副業・兼業を禁止する場合があることを明示するなどして、臨機応変の対応を行うことができるようにするべきである。

 モデル就業規則の改訂を受けて、今後は届出制が一般的になる可能性があるが、副業・兼業の内容や労働時間数によっては、会社が検討した結果、禁止(不許可)とせざるを得ない場合も考えられるので、許可制を維持した上で、許可の要件を緩やかにする方法も、実務的には十分な合理性があると考えられる。

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(くりはら・せいじ)

TMI総合法律事務所 パートナー弁護士

1986年慶應義塾大学法学部法律学科卒業。18年間にわたる一般企業勤務を経て、2005年弁護士登録。労働法務を中心に、企業法務案件を取り扱う。

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