◆SH2590◆公取委、株式会社リクルートホールディングス及び株式会社リクルートに対する勧告 佐々木智生(2019/06/07)

公取委、株式会社リクルートホールディングス
及び株式会社リクルートに対する勧告

岩田合同法律事務所

弁護士 佐々木 智 生

 

1. 事案の概要

 株式会社リクルートホールディングス(以下「リクルートホールディングス」という。)及び株式会社リクルート(以下「リクルート」という。)は、消費税の円滑かつ適正な転嫁の確保のための消費税の転嫁を阻害する行為の是正等に関する特別措置法」 (以下、「消費税転嫁対策特別措置法」という。)3条1号前段(減額)に違反したとして、公正取引委員会から令和元年5月24日付けで勧告(以下「本件勧告」という。)を受けた。

 そのうちリクルートホールディングスの違反行為は、平成26年4月1日以後、原稿作成業務(「タウンワーク」や「じゃらん」等のウェブサイト、雑誌等に掲載する記事、写真、イラスト等の作成)の委託料について、消費税相当分(8%)又は平成26年4月1日の消費税率引上げ分の全部(3%)若しくは一部(3%未満)に相当する額を減じて支払ったとの内容である(末尾の公正取引委員会作成の資料参照)。

   

2. 消費税転嫁対策特別措置法の目的

 消費税転嫁対策特別措置法は、平成26年4月実施及び令和元年10月実施予定の消費税の引上げに際し、消費税の転嫁拒否等の行為を規制することで、消費税の円滑かつ適正な転嫁を確保することを目的とする。

 消費税の転嫁とは、税金が取引価格の一部として移転することを意味し、消費税の円滑かつ適正な転嫁とは、生産・流通段階で生じる税金が順々に次段階へと転嫁させていき、最終的には消費者がその全てを負担することを意味する。

 たとえば、生産・流通の段階で力の強い事業者が仕入れにかかる消費税を特定供給事業者に負担させた場合、力の弱い事業者の経営が圧迫され、消費者が負担する税というコンセプトに反することになるところ、このような事態を防ぐために消費税転嫁対策特別措置法が存在する。

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(ささき・ともお)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2014年一橋大学法学部卒業。2016年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902 年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国におい て最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会 社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与してい る。

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