◆SH2571◆経産省・公取委・総務省、デジタル・プラットフォーマーに関するルール整備のオプションを公表 唐澤 新(2019/05/30)
経産省、公取委、総務省、デジタル・プラットフォーマーに関するルール整備のオプションを公表
岩田合同法律事務所
弁護士 唐 澤 新
2019年5月21日、経済産業省、公正取引委員会及び総務省は、「デジタル・プラットフォーマーを巡る取引環境整備に関する検討会」(以下「本検討会」という。)が取りまとめた、プラットフォーマー型ビジネスの台頭に対応したルール整備に関するオプションを公表した。本稿ではそのうち「取引環境の透明性・公正性確保に向けたルール整備の在り方に関するオプション」について解説する。
デジタル・プラットフォームにおいては、商品・サービスを提供する事業者と消費者というようにプラットフォームを介して異なる複数の利用者層が存在する両面市場が構成される。プラットフォームを利用する消費者数が増加するほど、商品・サービスを提供する事業者にとっての便益が高まるというように間接ネットワーク効果が働き、市場の規模が大きいほど利用者にとっての便益が高まるが、その反面、大手のデジタル・プラットフォーマーへの集中が生じやすく、また、データを提供する利用者が一度特定のデジタル・プラットフォームに慣れ親しんでしまうと、それ以外のデジタル・プラットフォームを選択しにくくなる(ロックイン)といった特徴もある。有力なデジタル・プラットフォーマーが自らの力を濫用して利用者に対して不当な不利益を課したり、競争者を不当に排除したりすれば、公正な競争が歪められる可能性が高い。
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(からさわ・あきら)
岩田合同法律事務所アソシエイト。2010年東京大学法学部卒業。2012年東京大学法科大学院卒業。2013年弁護士登録。『Q&Aインターネットバンキング』(共著 金融財政事情研究会 2014年)、『The International Comparative Legal Guide to: Project Finance』(共著 Global Legal Group 2014年)等執筆。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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