◆SH2512◆租税における公平の実現(6) 饗庭靖之(2019/04/26)

租税における公平の実現

第6回

首都大学東京法科大学院教授・弁護士

饗 庭 靖 之

 

第2 配当所得や利子所得と他の所得との課税の公平

(5) 申告分離課税制度の不当性

 現行制度では、「総合課税に代えて15%の税率による申告分離税を選択できることになっている(租特8条の4第1項)」ことは、配当所得を、所得課税の原則である総合累進課税の外に置くことは、上記の立法裁量性の範囲外であり、他の所得が総合累進課税されていることとの間では公平性を欠いている。

 申告分離課税制度の配当所得を総合課税の外におくことは、他の所得が総合課税されていることからは、大島訴訟判決で示された違憲判断基準である「立法目的からみて、区別の態様が著しく不合理であることが明らか」であるおそれがあり、立法裁量性の範囲を逸脱しているおそれがあると考えられる。

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(あえば・やすゆき)

1956年東京生まれ。1975年東京教育大学付属駒場高校卒業・東京大学法学部入学、1979年農林水産省入省、1988年厚生省出向、1991年在加日本大使館出向、1996年農林水産省退官・司法研修所入所(第50期)。1998年光和総合法律事務所入所、2013年末退所。
2005年首都大学東京法科大学院教授(民法、倒産法、環境法等担当)、現在に至る。
2014年1月、首都東京法律事務所を設立。現在首都東京法律事務所代表。

論文:
「生命保険における資産運用成果の契約者への還元について」NBL1110号(2017)、No1112(2017)、「社会保険制度についての提言」法学会雑誌(首都大学東京都市教養学部法学系発行)第58巻第2号(2018)

 




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