◆SH2502◆デジタルガバナンス・コード策定に向けて 足立理(2019/04/24)

デジタルガバナンス・コード策定に向けて

経産省、システムガバナンスの在り方に関する検討会
(第1回から第3回までのとりまとめ)

岩田合同法律事務所

弁護士 足 立   理

 

 昨年12月、経産省内IT戦略本部において、「システムガバナンスの在り方に関する検討会」(以下「本検討会」という。)が設置された。本年4月12日には「とりまとめ」と題して、本検討会第1回から第3回までの検討結果のサマリー(以下「とりまとめ」という。)が開示された。このとりまとめを踏まえ、「デジタルガバナンス・コード」に対する本検討会の現時点での考え方を以下のとおり紹介する。

 

1 デジタルガバナンス・コード策定の背景

 本検討会はデジタルガバナンス・コード(デジタルガバナンス・マネジメントの状況・達成度を測るための評価基準。以下「DGC」という。)作成に向けた検討の背景を以下のように捉えている。

 Society 5.0の実現に向けて民間企業のデジタルトランスフォーメーション(以下「DX」という。)を進める必要がある。日本企業はデジタル技術の導入に苦戦しており、その原因として、ITシステムの複雑化やIT予算運用の非効率化などが挙げられる。とりわけ主因は①不十分なデジタルガバナンス・マネジメント及び、②体制構築に向けての経営層の動機付けの不足にある。

 

2 DGCにおける要求事項の検討の視点

(1) レガシーシステムからの脱却等(「2025年の崖」問題の克服)

 既存システムの問題の解決及び業務自体の見直し(以下これらを総称して「レガシーシステムからの脱却等」という。)が求められる中、仮に経営層がDXを望んでも、現場サイドの抵抗が大きく、早期実行が難しい上に、レガシーシステムからの脱却等は一定の投資を伴う一方で短期的な収益向上にはつながりにくいため、これに着手する経営層のインセンティブも小さい。DX推進における初期の課題としてこれらの問題が存在している。

 こうした経緯に加え、ビジネスの高度化・創出・変革は各民間企業自身が個別の目的に基づいて判断すべき事項であることも踏まえると、DX推進初期におけるDGCには、レガシーシステムからの脱却等の達成度を測る指標となる役割が強く期待される。DGCにおける各民間企業に対する要求事項は、かかる役割を踏まえる必要がある。

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(あだち・まこと)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2014年東京大学法学部卒業。2016年東京大学法科大学院修了。2017年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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