◆SH2459◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第22回) 齋藤憲道(2019/04/08)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

1. 企業規範の4つの層 各層の内容と制定責任者

(4) 第4層(ガイドライン、マニュアル、作業指図等)

 第4層のルールは、第3層の基準・規格等の標準に準拠しつつ、現場で具体的な作業を行うための手順・方法として示されるもので、現場の課長・係長・班長等が実際の作業に従事する者の意見を踏まえて策定することが多い。

 重要な事項は、部長・工場長等の決裁を得て制定する。

  1. 例 製造ラインの仕掛品の保有量の基準(例えば「×日分」)を、資金負担の影響が大きいとして、社長決裁事項とするケースがある。

 作業指図・業務マニュアル等が含まれ、第一線の作業者が正しく理解できる用語・表現が用いられる。また、作業ミスが生じないように、図・写真・サンプル(見本)・記号・声・指さし合図・光(信号・合図等)等が併用される。

  1. 例 顧客への商品説明要領、顧客と契約時の事前説明事項(セリフ)、固定資産管理台帳(配置図を含む)、リース資産管理台帳、資産の購入・廃棄の決裁願い及びその実施要領(法規制がある場合はそれに従う)、機械・検査装置等の操作方法・メンテナンス要領

 交代制勤務を行っている工場・店舗等では、機械・商品等の不具合を認識した班が、次の班に対して、発生した事実及び応急措置に関する情報を、口頭又は引継ぎ書等で正確に伝達し、工場・店舗等の稼働が全体として適切に維持されるように導く。

 

2. 企業規範は社会規範に適合させる

 以上、第1層~第4層について、それぞれの内容を考察したが、各層の内容は、社会の要請に適合するものでなければならない。

 注意すべきは、違法と合法の境界が、技術・社会の動向を反映して常に動いていることである。企業の「予見可能性」および「結果回避可能性」の境界もこれに伴って動くので、企業では常に最新の基準(技術の基準等、法令、自社及び他者の事故、社会の評判、判決等)を把握して企業規範を点検し、必要に応じて改正する。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 




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