◆SH2446◆Brexit―交錯かつ分化する政治・社会・法律を踏まえての企業活動―(1) 大間知麗子/土屋大輔(2019/04/02)

Brexit
―交錯かつ分化する政治・社会・法律を踏まえての企業活動―
*

第1回

伊藤見富法律事務所
弁護士 大間知 麗 子

ブランズウィック・グループ
土 屋 大 輔**

 

1. イントロダクション――Brexitを考察するにあたって

 イギリスの欧州連合(EU)からの離脱(Brexit)の行方に、大きな注目が集まっている。

 イギリスは、EUからの離脱に関する国民投票の結果に従い、2017年3月29日にEUのリスボン条約50条に基づく離脱通知を行い、予定されている離脱期日の2019年3月29日まであと約3週間となった(2019年3月10日現在)。

 同国のテリーザ・メイ政権は、離脱通知を行った後、EU側と離脱の条件についての交渉を重ね、2018年11月には離脱協定案を事務レベルで合意するに至っていたが、当該協定案は2019年1月に英国議会で否決された。その後、メイ政権は、その代案となる修正離脱協定案の合意を目指し、EUとの交渉を続けているとされる。

 ただ、結局のところ、現在になっても、交渉されている代案の内容、代案に関するEUとの合意成立との見通し、代案に関する英国議会での承認の見通しは明らかになっておらず、離脱に関する合意がないまま離脱期日を迎える可能性は否定できないうえ、離脱期限(交渉期限)の延長がされる可能性、イギリスの離脱通知が撤回される可能性など、さまざまな情報や憶測が、メディア上で連日報道されているものの、見通しはまったく不透明で、予測不能な状況といえる。

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(おおまち・れいこ)

2000年弁護士登録(第二東京弁護士会)、三井安田法律事務所入所。2003年から2006年法務省民事局へ出向。2014年から伊藤見富法律事務所に所属し、2015年8月から2018年7月まではMorrison&Foerster (UK) LLP勤務。

伊藤見富法律事務所(外国法共同事業モリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所)
http://www.mofo.jp/index.html

モリソン・フォースターLLPは、1883年に米国カリフォルニア州サンフランシスコで設立され、現在では、米国、東京、ヨーロッパ、アジアなどに計16ヵ所の拠点があり、1000名を超える外国弁護士を擁しています。伊藤見富法律事務所は、2001年にモリソン・フォースター外国法事務弁護士事務所と外国法共同事業を開始しました。証券、不動産、M&A、コーポレート・ファイナンス、グローバルな戦略的事業提携、独占禁止法、知的財産権、企業間紛争解決、企業内コンプライアンス、証券化取引等の各分野において幅広い経験を有しており、積極的に国内外の企業を代理し、国内取引と国際取引の別や各案件の性質に応じて、モリソン・フォースターの国内外の外国弁護士と連携してチームを組成し、クライアントのニーズに対応しています。

 

 

(つちや・だいすけ)

ブランズウィックグループ ロンドン本社で勤務する日本事業の統括責任者。日本企業の海外へ向けた発信、海外企業の日本へ向けた発信等を担当。2012年に現職に就くまでは日本の外務省で在英国大使館での2回の勤務を含め、15年余勤務。日英EU関係には20年以上前より関与。

ブランズウィックグループ
http://www.brunswickgroup.com/home/

ブランズウィック・グループは危機対応、サイバー案件、訴訟、物言う株主対応、M&A 、IPO、規制対応に至るまで企業の重要な局面における、政府・メディア・従業員・投資家等全方位向けコミュニケーション戦略づくりを請け負うコミュニケーション・アドバイザリー企業です。32年前ロンドンで創業し、現在世界23都市約1000人のコンサルタントが企業をサポートします。日本企業も金融、重工業、食品業界等、多数の支援実績があり、2018年より東京でもコンサルタントが複数常駐しています。会長は共同創業者のSir Alan Parker、CEOは元米財務副長官のNeal Wolinです。



* 本稿の執筆は2019年3月10日に終えており、それ以降の動向については反映されていない。ブレグジットをめぐる状況は今後も日々変化するものと思われるが、本稿は、ブレグジットに関してこれまで企業が検討してきた論点や事前の対応等を紹介することによって、今後、日系の企業がグローバルに事業を行う際の参考になることを願うものである。詳しくは、本文1.を参照。

** 本稿の中の意見や分析等は、筆者らの個人的見解であり、各自が現在所属し、または過去に所属したことのある組織の見解を示すものではない。なお、本稿は共著であるが、土屋が本稿の2.を、大間知がその他の部分の主たる執筆を担当した。

 




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