◆SH2410◆コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(149)日本ミルクコミュニティ㈱のコンプライアンス㉑ 岩倉秀雄(2019/03/19)

コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(149)

―日本ミルクコミュニティ㈱のコンプライアンス㉑―

経営倫理実践研究センターフェロー

岩 倉 秀 雄

 

 前回は、日本ミルクコミュニティ(株)のグループコンプライアンス具体策について述べた。

 日本ミルクコミュニティ(株)では、会社法施行前の2004年から、コンプライアンス委員会を設置して、グループ全体の認識と情報の共有化を図った。

 グループ会社の社長又はコンプライアンス担当役員がコンプライアンス委員会に出席し、グループ全体の活動方針に意見を反映できるようにするとともに、自社のコンプライアンス方針・活動施策の策定とその実施状況の報告を行ったが、それにより、コンプライアンスに関する当事者意識を高めるのに役立った。

 また、一定の水準を確保するために、「グループ会社のコンプライアンス体制の構築・支援」を重点活動計画に謳い、関係部門とコンプライアンス部が共同でグループ会社のコンプライアンス体制の実態を確認・検証しコンプライアンス委員会に報告した。

 その他に、コンプライアンス担当者同士の連携を密にし、必要により親会社はグループ会社の問題解決に直ちに協力した。

 コンプライアンス・アンケートは、グループ会社にも実施してグループ会社の状況を把握するとともに、結果を基に対応を求め改善に協力した。

 既述したが、従業員相談窓口も、公益通報者保護法の施行前から設置していたが、施行後は親会社と子会社の他に、外部弁護士相談窓口を開設し相談受付範囲を、親会社・子会社の役員・従業員(社員、契約社員、パート社員、嘱託社員)から、会社で働く派遣社員、請負業者の従業員、グループ会社の従業員に拡大した。

 今回は、日本ミルクコミュニティ(株)の内部監査について考察する。

 

【日本ミルクコミュニィティ(株)のコンプライアンス㉑:コンプラインス体制の構築と運営⑦】(『日本ミルクコミュニティ史』425頁~428頁)

 コンプライアンス部業務検査課は、内部監査・検査及び監査役の補助と監査役会事務局の他、ISO14001の認証取得を目指した時からは、内部環境監査業務も担当した。

 

1. 会社立ち上げ時(2003年度)の内部監査結果

 初年度の内部監査は、2003年1月1日~3月末日までの3ヵ月間に対して、実施した。

 日本ミルクコミュニティ(株)は、組織文化や業務管理方法の異なる3社が短期間に合併して設立された会社であるため、会社立上時は業務が大混乱していたので、詳細な監査は現場の混乱を招き意味がないと考え、内部監査テーマを、「会社の理念・方針の理解と浸透状況」、「業務遂行体制の構築状況と課題」、「規則等の周知をはじめとする業務管理の適正状況」、「業務の効率性・合理性の状況」に絞り、32部署に実施した。

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(いわくら・ひでお)

経営倫理実践研究センターフェロー、日本経営倫理士協会主任フェロー研究員。

1976年北海道大学農学部卒、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)に入会し、全酪連乳業統合準備室長兼日本ミルクコミュニティ(株)設立準備委員会事務局次長、日本ミルクコミュニティ初代コンプライアンス部長。雪印メグミルク(株)社史編纂室で、『日本ミルクコミュニティ史』と『雪印乳業史第7巻』を編纂(共著)し、2016年10月よりCSR部に異動。2017年同社を退職して「社会経営研究所」(個人事務所)を設立。

青山学院大学大学院修士課程修了、雪印メグミルク(株)時代に、一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務コース博士後期課程を単位取得退学。

なお、業務の傍ら、トライアスロンの草創期にハワイ等のアイアンマンレースを3回完走し、日本トライアスロン協会理事長に就任、競技の普及に努めた。

 

 




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