◆SH2386◆インドネシア:インドネシアにおけるライセンス契約の登録手続(1) 小林亜維子(2019/03/08)

インドネシア:インドネシアにおけるライセンス契約の登録手続(1)

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 小 林 亜維子

 

1. 総論

 インドネシアでは、2014年に著作権法、2016年に商標法及び特許法が全面的に改正され、知的財産権に関連する法令の整備が進められてきた。これに関連して、2016年には、各知的財産権に関連する法律に基づくライセンス契約の登録に関する手続について、知的財産権の担当当局である知的財産権総局が属する法務人権省によって規則(法務人権大臣規則2016年第8号、以下「2016年規則」という。)が制定された。

 インドネシアの知的財産権に関連する法令上、知的財産権保有者は、その保有する知的財産権をライセンスすることができる。そして、締結されたライセンス契約は、知財産権総局に登録されることで、第三者との関係で有効となる。そこで、日本企業がインドネシアの現地企業に知的財産権をライセンスする場合、現地企業からライセンス契約の登録を要求されるケースが増えるものと考えられる。また、例えば、商標権の場合、権利者が登録された商標権をインドネシア国内において3年間継続して利用していない場合、第三者は当該商標権の登録の取消しを裁判所に求めることができる。権利者が当該商標権をインドネシア国内でライセンスを行い、ライセンスを受けた者(ライセンシー)が当該商標を利用することも、権利者がインドネシア国内で商標権を利用している事実となるところ、ライセンス契約を登録することで商標権をインドネシア国内で利用していることの間接的な証拠とすることができる。逆に言えば、ライセンス契約を登録していない場合には、権利者による商標のライセンスさえ行われていないとみなされてしまう可能性もある。したがって、ライセンスをする日本企業にとっても、ライセンス契約を登録しておくことにメリットがあるといえる。

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(こばやし・あいこ)

2007年同志社大学法学部法律学科卒業。2009年京都大学法科大学院修了。2010年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2016年Stanford Law School卒業(LL.M.)。2017年~長島・大野・常松法律事務所ジャカルタ・デスク(Soemadipradja & Taher内)勤務。
現在はジャカルタに駐在し、日本企業による事業進出および資本投資その他の企業活動に関する法務サポートを行っている。

 

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