◆SH2385◆コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(146)日本ミルクコミュニティ㈱のコンプライアンス⑱ 岩倉秀雄(2019/03/08)

コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(146)

―日本ミルクコミュニティ㈱のコンプライアンス⑱―

経営倫理実践研究センターフェロー

岩 倉 秀 雄

 

 前回は、日本ミルクコミュニティ㈱の「企業行動規範遵守宣誓」への署名と「ミルクコミュニティ行動指針浸透トレーニング」等、について述べた。

 「企業行動規範遵守宣誓」への署名は、中期経営計画で謳った「コンプライアンス意識の浸透・確立」の実現を推進するとともに内部統制の強化にも資する目的で、2006年度より毎年1回実施し、社長以下の役員・従業員・出向・派遣している社員・受け入れ出向者全員が署名した。

 また、2007年8月から、職場単位で、「ミルクコミュニティ行動指針」に照らして業務上「やるべきこと」、「やってはいけないこと」を話し合う「ミルクコミュニティ行動指針浸透トレーニング」を実施した。

 この独自性の強い取組みは、実施当初は、現場からは戸惑いの声が上がったが、時間の経過とともに軌道に乗り、行動指針の浸透に役立った。

 また、個人情報保護法の完全施行を受けて、プライバシーポリシー・関連情報管理規定類(個人情報取扱規定類)を策定・整備するとともに、マニュアルの作成、教育・研修により周知徹底するとともに、内部監査により確認・検証した。 

 その他に、公益通報者保護法の施行を受けて、従業員相談窓口の外部受付先をセクハラ対応専門の会社から社外弁護士ホットラインに切り替え、相談対象範囲を、請負業者の従業員、グループ会社の従業員に拡大するとともに、仕組みを周知・徹底するために、連絡先を記したシールやカードを配布し、研修を行なった。

 今回は、グループ会社のコンプライアンス体制の強化について考察する。

 

【日本ミルクコミュニィティ(株)のコンプライアンス⑱:コンプラインス体制の構築と運営⑤】

1. グループ会社のコンプライアンス体制の強化

 コンプライアンス違反はグループ会社の違反であっても親会社の責任が問われることから、組織のコンプライアンス強化とはグループ全体のコンプライアンス強化であるととらえる必要がある。

 筆者は企業グループのコンプライアンス強化には、組織間関係論の知見が活用できると考えることから、本稿では、前半で組織間関係論の一般的・理論的視点について考察し、後半では、理論の具体的活用例として日本ミルクコミュニティ(株)グループのコンプライアンス体制の強化策について考察する。

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(いわくら・ひでお)

経営倫理実践研究センターフェロー、日本経営倫理士協会主任フェロー研究員。

1976年北海道大学農学部卒、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)に入会し、全酪連乳業統合準備室長兼日本ミルクコミュニティ(株)設立準備委員会事務局次長、日本ミルクコミュニティ初代コンプライアンス部長。雪印メグミルク(株)社史編纂室で、『日本ミルクコミュニティ史』と『雪印乳業史第7巻』を編纂(共著)し、2016年10月よりCSR部に異動。2017年同社を退職して「社会経営研究所」(個人事務所)を設立。

青山学院大学大学院修士課程修了、雪印メグミルク(株)時代に、一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務コース博士後期課程を単位取得退学。

なお、業務の傍ら、トライアスロンの草創期にハワイ等のアイアンマンレースを3回完走し、日本トライアスロン協会理事長に就任、競技の普及に努めた。

 

 




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