◆SH2365◆経産省、グレーゾーン解消制度に係る事業者からの照会に対し回答「電子契約サービスに係る建設業法の取扱い」青木晋治(2019/02/27)

経産省、グレーゾーン解消制度に係る事業者からの照会に対し回答
「電子契約サービスに係る建設業法の取扱いについて」

岩田合同法律事務所

弁護士 青 木 晋 治

 

1. はじめに

 経済産業省は、本年2月19日、産業競争力強化法が定める「グレーゾーン解消制度」に係る事業者からの建設業法に関する照会(以下「本照会」という。)に対して、同法を所管する国土交通省の回答を公表した。照会内容は、建設業者が建設工事の請負契約の締結をクラウド上で電子的に行うことができるサービスを運用する予定の事業者が、当該サービスが建設業法施行規則第13条の2第2項に定める技術的基準に適合するかというものであった。国土交通省は、以下の理由で、建設業法施行規則第13条の2第2項に規定する技術的基準を満たすものと解されると回答した。

  1. ▹ 契約成立後に契約書のPDFファイルをダウンロードすることで、契約当事者は、当該PDFファイルを電磁的記録として保存及び印刷を行うことが可能であると考えられること
  2. ▹ 公開鍵暗号方式による電子署名及び電子的な証明書の添付の手続が行われることで、当該PDFファイルが改ざんされていないことを証明することが可能であると考えられること

 以下、本照会に関連する事項や留意点について概説する。

 

2. 電子契約サービスと建設業法上の規制

(1) 建設工事請負契約締結に際する書面の相互交付義務

 建設工事請負契約締結に際しては、原則として契約に関する事項が記載された書面に署名又は記名押印して相互に交付しなければならないとされている(建設業法第19条1項)。

(2) 情報通信の技術を利用する場合の例外

 ただし、契約の相手方の承諾を得た上で、コンピュータ・ネットワーク利用(電子メール、Web等)や、電子記録媒体(フロッピーディスク等)利用などの情報通信の技術を利用する方法であって国土交通省令で定める措置を講じている場合には電子契約による契約締結も可能である。建設業法施行規則第13条の2第2項は、情報通信の技術を利用する方法により建設工事請負契約を締結する場合の技術的基準について以下のとおり定めている。

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(あおき・しんじ)

岩田合同法律事務所パートナー。2007年慶應義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録。『新商事判例便覧』(共著、旬刊商事法務、2014年4月25日号~)、『Q&A 家事事件と銀行実務』(共著、日本加除出版、2013年)、『民事再生手続における取立委任手形にかかる商事留置権の効力』(共著、NBL969号、2012年)、「金融ADRから学ぶ実務対応」(共著、銀行実務2012年10月号)(共著、金融財政事情研究会、2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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