◆SH2347◆企業法務フロンティア「内部通報制度認証の活用のカギ」 中川直政(2019/02/18)

企業法務フロンティア
内部通報制度認証の活用のカギ

日比谷パーク法律事務所

弁護士 中 川 直 政

 

 巷間で取り沙汰される企業不祥事は、内部通報を契機として発覚するケースが多い。近時の消費者庁の調査によれば、内部通報は企業不祥事の発覚の端緒として最も多い。

 同じく消費者庁の調査によれば、従業員が3,000人を超える大企業では、99%以上が内部通報制度を導入しており、我が国の企業全体で見ても、約半数は自社の内部通報制度を整備している。

 しかし、せっかくの内部通報制度も、様々な理由により、必ずしも活用されているわけではないのが現実だ。内部通報が機能せず、社外のマスコミや官庁などへの告発に至るケース(内部告発)も目立つ。近時発覚した大規模な企業不祥事は、内部通報制度が機能しなかったことによって明るみになっている。そのため、内部通報制度の実効性をいかに高めるかということが、活発に議論されている。

 そのような中、優れた内部通報制度を導入していることをアピールできる、「内部通報制度認証」(WCMS認証)の制度が新設された。これは、世界に先駆ける我が国発祥の制度である。その第一弾「自己適合宣言登録制度」は、指定登録機関も決まり(公益社団法人商事法務研究会)、多くの企業が関心を寄せている。申請受付は、本年(2019年)2月12日からスタートした。

 この「自己適合宣言登録制度」は、自社で内部通報制度を審査し、その結果を登録するものである。さらに、2019年度以降、中立・公正な第三者機関が内部通報制度を審査・認証する「第三者認証制度」の導入も予定されている。

 多くの企業が関心を寄せる制度ではあるが、どのように活用できるのかについては、よくわからない部分が多いところかと思われる。

 例えば、そもそも自己適合宣言登録制度を利用すべきか、第三者認証制度まで待つべきか。登録有効期間が満了すれば更新すべきか。中小企業も利用すべきか。グループ企業で複数の内部通報制度を持つ場合は、どのように登録するのか。親会社の内部通報制度が受けた認証について、子会社もアピールできるのか。海外の企業も登録できるのか、等々。

 本稿では、間もなく始まる内部通報制度の認証制度にどう対応すればよいのか、その活用にあたり留意すべきカギについて、考えてみたい。

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(なかがわ・なおまさ)

日比谷パーク法律事務所 弁護士(パートナー)。2000年 東京大学法学部卒業、2001年 弁護士登録(第二東京弁護士会)、2008年 米国ノースウェスタン大学スクール・オブ・ロー修士課程(LL.M.)修了、2009年 ニューヨーク州弁護士登録。

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/
所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

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