◆SH2335◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第8回) 齋藤憲道(2019/02/14)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

第1部 管理をめぐる経営環境の変化

3.バブル経済崩壊~「日本再興戦略」へ 1990年(平成2年)~現在

(3) 業務の執行に係る法整備

○ 地価や株価が大幅に下落して、銀行が担保にしていた物件の価値が失われると、銀行自身が多額の不良債権を抱えて経営危機に直面した。

  1. (注) 銀行は、返済を見通せない企業への融資を押さえる(貸し渋り)一方で、債権回収(貸し剥がし)に努めたが、多くの融資先が経営危機に陥って返済は困難を極めた。

 高度経済成長期からバブル経済崩壊に至るまで、メインバンクが融資先企業の資金とガバナンスを監視し、経営指導する役割を果たしてきたが、バブル崩壊後、この機能は大幅に縮小した。一般の企業には、自己責任と自立が強く求められようになった。

○ 1990年代後半から約10年間は、経営危機に陥った企業の再編・再建・倒産処理等を行うための法的手段が整備された時期である。本当に必要なときには間に合わなかったが、一通り整備されたので、次の大不況時には、最適な法制度を選択して迅速に再建・倒産処理等を行うことができるだろう。

 再編・倒産に関する主な法整備を、以下に示す。

① 再編に関する法整備

 再編法制の整備に対応して、組織再編税制、連結納税制度も整備された。

  1. 1) 純粋持株会社の解禁
    1997年に独占禁止法が改正され、1947年に定められた「純粋持株会社の禁止」規定が50年ぶりに解禁された。これにより、グループ運営を機動的に行う組織体制の選択肢が増えた。
  2. 2) 再編法制の整備
    1997年 合併手続きを簡素化(施行)
    1999年 株式交換・株式移転制度を整備(施行)
    2000年 会社分割制度を導入(2001年施行)
    2002年 連結納税制度(施行)
    2007年 三角合併を導入(施行)

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 

 




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