◆SH2321◆企業法務フロンティア「聖域~日産自動車子会社・パナソニック子会社の事例から~」 小川直樹(2019/02/07)

企業法務フロンティア
聖域~日産自動車子会社・パナソニック子会社の事例から~

日比谷パーク法律事務所

弁護士 小 川 直 樹

 

 現行憲法上、国の収入支出は「すべて」会計検査院が検査することとされている。戦前の機密費のように、検査の対象から外されるような、いわゆる聖域は存在しない。ところが、昨今の報道からすると、グローバル企業の海外子会社には、そのような聖域が存在することが珍しくないようだ。

 例えば、日産自動車株式会社(「日産自動車」)の海外子会社におけるCEO Reserve。報道ベースでの情報ではあるが、これは2008年12月頃、日産自動車株式会社のカルロス・ゴーン元会長(「ゴーン元会長」)の指示によって創設され、同社のアラブ首長国連邦の子会社「中東日産会社」内で管理されていた経費枠であったようである。本来、CEO Reserveは、自然災害に伴う見舞金など予算外の大きな支出に使うことを想定していたものであったとのことで、それ自体に問題はなかったと思われるが、重要なのは、CEO Reserveが、ゴーン元会長の直轄管理の下にあり、ゴーン元会長自らがその使途を決定し、その支出についてはごく一部の者だけが知ることができたということである。これは聖域以外の何物でもない。果たして、CEO Reserveからは、ゴーン元会長の知人のサウジアラビア人の実業家に対して私的な目的で約12億8400万円が支出され、ゴーン元会長は、これを1つの公訴事実として2019年1月11日に特別背任罪で起訴されている。

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(おがわ・なおき)

日比谷パーク法律事務所 弁護士。2007年東京大学法学部卒業。2009年東京大学法科大学院終了。2010年弁護士登録。同年日比谷パーク法律事務所入所。2016年米国ミシガン大学ロースクールLLM修了、テキサス州ヒューストンの電力会社にて米国電力規制対応業務・米国訴訟対応業務等に従事。2017年ニューヨーク州弁護士登録。

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/
所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

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