◆SH2308◆コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(136)日本ミルクコミュニティ㈱のコンプライアンス⑧ 岩倉秀雄(2019/02/01)

コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(136)

―日本ミルクコミュニティ㈱のコンプライアンス⑧―

経営倫理実践研究センターフェロー

岩 倉 秀 雄

 

 前回は、広報・CS(顧客サービス・お客様相談)体制について述べた。

 不祥事を契機に設立された市乳統合会社にとって、社会との良好な関係を構築するためのコミュニケーション活動は極めて重要であるとの認識から、市乳統合会社設立準備委員会ではその在り方について慎重に検討された。

 コミュニケーション部は、①ブランドのコミュニケーション政策(含デザイン・広告宣伝)、②組織内外への広報、③消費者対応窓口、④ミルクコミュニティ委員会事務局の機能を併せ持つこととなった。

 広報・CS活動の基本方針は、①企業理念体系の全般を通して、「お客様第一」、「お客様優先」の精神を貫く、②CSは一部署のみが行なうのではなく、経営層自らが主導し、全役職員によって実践される、③お客様との接点の行動・情報は経営の根幹を支えるものなので「お客様センター」は自社独自で運営する、④コミュニケーション部お客様センターが全社のCS経営を推進する部署と位置づけ、全社にCS経営の重要性を啓蒙、浸透し、CS経営を実現していくいうもので、組織は社長(後に代表取締役)直轄とした。

 また、ミルクコミュニティ委員会は、企業理念を具現化する過程で社会の声を反映した企業活動を推進するために、取締役会への助言、意見交換の場として設置し、社外から招聘する非常勤取締役は委員を兼任するとした。

 今回は、合併会社の情報システムについて考察する。

 

【日本ミルクコミュニィティ(株)のコンプライアンス⑧:情報システム】

 市乳統合会社の設立当時、合併により新たに誕生した大手銀行の情報システムの混乱がメディア等で話題になったことから、市乳統合会社設立準備委員会には、情報システムの統合による混乱は新会社の立ち上げ時に最も避けなければならないテーマであるとの認識はあったが、一方、(雪印乳業(株)の経営悪化の速度を踏まえ)統合準備委員会の発足から6ヵ月という極めて短期間で新会社を立ち上げなければならないことが決まっていたため、情報システムの担当部会に与えられた時間は短く、スケジュールは大変厳しいものだった。

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(いわくら・ひでお)

経営倫理実践研究センターフェロー、日本経営倫理士協会主任フェロー研究員。

1976年北海道大学農学部卒、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)に入会し、全酪連乳業統合準備室長兼日本ミルクコミュニティ(株)設立準備委員会事務局次長、日本ミルクコミュニティ初代コンプライアンス部長。雪印メグミルク(株)社史編纂室で、『日本ミルクコミュニティ史』と『雪印乳業史第7巻』を編纂(共著)し、2016年10月よりCSR部に異動。2017年同社を退職して「社会経営研究所」(個人事務所)を設立。

青山学院大学大学院修士課程修了、雪印メグミルク(株)時代に、一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務コース博士後期課程を単位取得退学。

なお、業務の傍ら、トライアスロンの草創期にハワイ等のアイアンマンレースを3回完走し、日本トライアスロン協会理事長に就任、競技の普及に努めた。

 

 




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