◆SH2305◆企業活力を生む経営管理システム―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―(第5回) 齋藤憲道(2019/01/31)

企業活力を生む経営管理システム

―高い生産性と高い自己浄化能力を共に実現する―

同志社大学法学部
企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

第1部 管理をめぐる経営環境の変化

2.高度経済成長期後半~バブル経済期 1965~1990年(昭和40年~平成2年)

(2) 経営管理の潮流

○ 1970年代に入ると、事務管理に大型コンピュータ・システム(オンラインで統合処理)を導入する企業が増えた。

  1. 〔業務分野ごとのシステムの例〕
  2. 事務管理系(人事業務、経理業務等)、技術系(製品設計、品質管理等)、製造系(受発注在庫、工程品質管理等)、営業系(売上管理、顧客管理、市場管理等)
     
  3. ・ 1965年に国鉄の座席予約システム(東海道新幹線を含む)が稼働し、大規模オンライン・リアルタイム・システム時代が到来した。
  4. ・ 1973年には、日本銀行が内国為替集中決済制度を開始し、全国銀行データ通信システムが稼働して、金融機関相互間で振込・送金・代金取立等の内国為替取引が行われるようになった。
  5.    この頃から、社員の給与・賞与の支給を現金から銀行振込に代える企業が増えた。

○ 1980年前後には、パソコンの高機能化・低価格化が進み、企業でOA[1]化が進められた。

  1. ・ 1980年代になると、パソコンが、それまで業務用システムの分野で主力を占めていた大型コンピュータに代替するようになった。
  2. ・ 1985年にNTTが「0120」で始まるフリーダイヤル(着信側負担)を開始して以降、この番号を「お客様相談センター」に設定して顧客サービスを拡大する企業が増えた。

○ 1987年に国際規格 ISO9000シリーズ(品質マネジメントシステム)が発行され、業務プロセスの文書化・結果の記録・ PDCA (Plan計画→Do実行→Check評価→Act改善、を繰り返して水準向上の継続を図る管理サイクル)等の管理の仕組みが世界に浸透した。

○ 1987年に米国で「マルコム・ボルドリッジ国家品質賞」が大統領主導で創設された。

  1. ・ 米国企業の国際競争力強化を図るこの取り組みでは、日本の品質管理手法を参考にしつつ、顧客志向を積極的に評価する。
  2. ・ 米国の成果に触発され、1992年に欧州で同趣旨の「欧州品質賞」が創設され、欧州企業の経営品質向上の取り組みが加速した。

○ 1990年代には、インターネット・電子メール・携帯電話等が急速に普及し、企業の業務において情報通信技術(ICT)が欠かせないものになった。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 




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