◆SH2267◆企業法務フロンティア「何が問題か? 有価証券報告書虚偽記載罪」水野信次(2018/12/28)

何が問題か?
有価証券報告書虚偽記載罪

~カルロス・ゴーン氏逮捕容疑を題材に~

 

 2018年11月19日夕刻、日産自動車代表取締役ゴーン会長(当時)が飛行機で空港に到着した折に逮捕された。その最初の逮捕容疑は、当時の報道によると、ゴーン会長とケリー代表取締役の2人が共謀のうえ、2010年3月期から2014年3月期の五期にわたって有価証券報告書に、ゴーン会長の報酬を実際よりも過少に記載して提出したという有価証券報告書虚偽記載罪の疑いがあるというものだった。

 日本を代表する大企業の、しかも、日産自動車を再建し、同社のみならず、その筆頭株主であるルノーや、一昨年、日産自動車が傘下に収めた三菱自動車の三社のトップを務める世界的経営者が逮捕されたというのだから、よほどの重大事件である。

 似たような重大事件といえば、東芝の不正会計事件も記憶に新しい。第三者委員会の調査で、東芝は2008年度から2014年度までの七期にわたって、売上過大計上、損失計上先送りなど多様な不正会計処理を行っていたため、過年度の有価証券報告書において税引前利益で総額1518億円もの過大計上が判明し、その訂正の必要性があることが指摘された。

 しかし、東芝の事件で誰かが逮捕されたとは聞かない。

 報酬の過少記載か、利益の過大記載かで異なるものの、事実と異なることを有価証券報告書に記載したという点で異なることはないのに、日産自動車の場合にはトップの逮捕にまで発展し、東芝ではそうならなかったのはなぜなのか?

 本稿では、有価証券報告書虚偽記載罪について解説を試み、その疑問を解く「カギ」がどこにあるのか探ってみたい。

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(みずの・しんじ)

日比谷パーク法律事務所 弁護士(パートナー)。1995年名古屋大学法学部卒業、2000年弁護士登録、三井安田法律事務所入所、2004年日比谷パーク法律事務所入所。
・昭和リース㈱社外監査役(2009年~現任)
・プロミス㈱「公開買付けに関する第三者委員会」委員長(2011年)
・ローランド㈱「マネジメント・バイアウト(MBO)の取引に関する第三者委員会」委員長(2014年)
・タキロン㈱(現タキロンシーアイ㈱)「シーアイ化成株式会社との経営統合に係る第三者委員会」委員長(2016年)
・㈱メルコホールディングス「シマダヤ株式会社との株式交換に関する第三者委員会」委員長(2017年)
・東都水産㈱「株式会社三陽またはその子会社への固定資産譲渡に係る関連当事者取引調査委員会」委員長(2017年)
ほか多数の社外役員・第三者委員会委員を歴任。

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/
所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

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