◆SH2256◆経産省、「限定提供データに関する指針(案)」に対するパブリックコメントを実施 工藤良平(2018/12/18)

経産省、「限定提供データに関する指針(案)」に対する
パブリックコメントを実施

岩田合同法律事務所

弁護士 工 藤 良 平

 

 経済産業省は、本年12月21日を締切日として、「限定提供データ」にかかる不正競争につき、該当行為の具体例や解釈指針等が盛り込まれた「限定提供データに関する指針(案)」(以下「本指針案」という)のパブリックコメントを実施している。

 本年の不正競争防止法改正において、気象データ、地図データ、機械稼働データ、消費動向データなどのいわゆる「ビッグデータ」の創出・収集・分析・管理等に向けた投資を行う事業者等において、適正な対価回収の機会が確保されるよう、これらのデータにつき「限定提供データ(法第2条第7項)」という概念として定義されたうえ、「限定提供データ」に係る不正取得、使用・開示行為が新たに不正競争として位置づけられることとなった(改正後不正競争防止法第2条第1項第11号~第16号)。来年7月1日に予定されている改正不正競争防止法の施行に先立ち、経済産業省は、不正競争防止小委員会での審議を経て、本年11月22日、本指針案を公表したうえ、意見公募を行っている。

 本指針案では、営業秘密と同様に「技術上又は営業上の情報」である限定提供データに関する不正取得等の不正競争について解釈の指針が示されている。もっとも、改正前から設けられている営業秘密に関する不正競争に関する規定の解釈については、本指針案の影響が及ぶものではない旨明示されている。また、事業者等が取引等を通じて第三者に提供することを前提としている「限定提供データ」と、企業内で秘匿することを前提としている「営業秘密」とでは、法文における保護の客体・行為主体・対象行為等に類似の文言が使用されている場合であっても、両制度の保護目的が異なることから、それぞれの規定の趣旨に従った解釈がなされるべきである旨も述べられている。

 したがって、「営業秘密」と「限定提供データ」それぞれの不正競争にかかる法文上の文言が同一又は類似であったとしても、営業秘密にかかる不正競争における従前の解釈が、限定提供データにかかる不正競争における解釈に必ずしもそのまま妥当するものではないという点に留意する必要があろう。

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(くどう・りょうへい)

岩田合同法律事務所アソシエイト。日本及び米国(NY州)弁護士。2002年東京大学法学部卒業。2006年コロンビア大学ロースクール(LL.M.)修了。2010年東京大学法科大学院修了。2013年シンガポール国際仲裁センター出向。国内外における紛争解決に加え、企業法務全般(特に国際商取引)に係る助言を行う。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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