◆SH2255◆企業法務フロンティア「システム開発における準委任契約のベンダーの債務不履行責任についての考察」 上山 浩(2018/12/18)

企業法務フロンティア
システム開発における準委任契約のベンダーの債務不履行責任についての考察

日比谷パーク法律事務所

弁護士 上 山   浩

 

 最近のシステム開発契約では、従来は請負で締結していた個別契約を準委任で締結する事案が顕著になってきている。後述するように、その方がベンダーにとってリスクが小さいという理解を前提に、ベンダーがそのような取組みを推進しているためである。

 なぜ準委任の方がベンダーにとってリスクが小さいかというと、例えば、要件定義工程の終盤で出来上がった要件定義書をレビューしたら重大な欠陥が判明し、要件定義作業を初めからやり直さなければならなくたった、という場合、請負契約であれば成果物である要件定義書が完成していないので、ベンダーは債務不履行責任を負い、対価を請求することもできない。しかし、準委任契約であれば、要件定義書を完成させる債務は負っておらず、要件定義作業という事務の処理(民法644条)さえ行えば、要件定義書の出来栄えの如何にかかわらず、ベンダーは債務を履行したことになり、対価も請求できるのではないか、という理解が前提になっているからである。しかし、そのような理解は正しいのであろうか。結論からいえば、このような理解は誤り(誤解)であると考えられる。

 上記の例のような事案についてベンダーの債務不履行責任の判断が示された判例は見当たらない。そこで、他の分野の類似した事案に関する判例をもとに考察してみたい。

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(かみやま・ひろし)

日比谷パーク法律事務所 弁護士(パートナー)。1981年京都大学理学部卒、同年4月に富士通株式会社へ入社。大型汎用機用オペレーティングシステムの企画・設計などに携わる。1990年4月、野村総合研究所に入社。1998年10月、司法試験合格。2000年弁護士・弁理士登録。2003年日比谷パーク法律事務所に入所。特許訴訟など知的財産関連の係争やシステム関係・IT訴訟などを多数経験。
・ 2004~2014年 金沢工業大学大学院工学研究科客員教授
・ 2014年度 日本弁理士会副会長
・ 2017年~「夢の街創造委員会株式会社」社外取締役

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/

所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

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