◆SH2166◆法務省、法制審議会第182回会議(10月4日開催)民事執行法改正要綱案の採択 臼井幸治(2018/10/31)

法務省、法制審議会第182回会議(平成30年10月4日開催)
民事執行法改正要綱案の採択

岩田合同法律事務所

弁護士 臼 井 幸 治

 

 2017年9月8日に法務省より「民事執行法の改正に関する中間試案」が公表され、改正に向けた議論が法制審議会民事執行法部会で行われてきた。そして、本年8月31日開催の民事執行法部会第23回会議において、「民事執行法制の見直しに関する要綱案」が決定されたところ、本年10月4日開催の法制審議会第182回会議において、同要綱案に関する審議・採決がなされ、同要綱案は、全会一致で原案どおり採択され、直ちに法務大臣に答申することとされた。

 同要綱案で改正が予定される内容の概要は、末尾に記載する表の通りであるところ、中でも、債務者の預貯金債権等に係る情報の取得に係る制度が新設されることは、執行実務に対する影響が大きいと思われる。

 現行法の下では、民事訴訟で、金銭請求権にかかる「被告は原告に対して●万円を支払え」という勝訴判決を勝ち取り、確定したとしても、被告である債務者が判決に従った支払いを行わない場合、強制執行の手続を執らざるを得ない。しかしながら、債務者が預貯金を蓄えていることが窺えても、いずれの金融機関のどこの口座に預貯金を保有しているかが特定できないことには、債権執行を行うことは難しい。すなわち、勝訴判決を獲得後に預金債権の差押えをするにあたっては、金融機関名と取扱い支店名まで特定する必要があり、支店名まで特定されていない場合には差押債権の特定を欠くとして、債権差押の申立が、不適法として却下されることが一般である。そのため、勝訴判決などの債務名義を得ても、債権者としては、債務者の預貯金口座情報を十分に調査することができないことから、差押の対象となる債権が特定できないとして差し押さえることができず、勝訴判決がその実効性を失うことが少なくない。

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(うすい・こうじ)

岩田合同法律事務所弁護士。2001年慶應義塾大学卒業。2006年弁護士登録。メガバンク及び大手総合商社法務部への出向等、企業における実務経験も豊富。企業法務全般、訴訟紛争解決、組織再編、再生可能エネルギーに関連するファイナンス組成等、幅広い分野に対応。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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