◆SH2164◆個人情報保護委、フェイスブック利用者のアカウント情報に対する不正アクセスについて 藤原宇基(2018/10/30)

個人情報保護委、フェイスブック利用者のアカウント情報に対する
不正アクセスについて

岩田合同法律事務所

弁護士 藤 原 宇 基

 

 個人情報保護委員会(以下「個人情報保護委」という。)は、平成30年10月22日付けで、米フェイスブックインク社(以下「フェイスブック社」という。)に対して、個人情報保護法41条及び75条の規定に基づく行政指導(以下「本件行政指導」という。)を行った。

 

1. 行政指導の概要

 行政指導の対象となった事案は、以下の3件である。

  1. ⑴ ソーシャルプラグイン事案
  2.    フェイスブックの利用者(以下「ユーザー」という。)が、ソーシャルプラグインである「いいね!」ボタンが設置されたウェブサイトを閲覧した場合、当該ボタンを押さなくともユーザーID、アクセスしているサイト等の情報がフェイスブック社に自動で送信されている事案。
     
  3. ⑵ ケンブリッジアナリティカ事案
  4.    性格診断アプリを介して取得したユーザーの個人情報が不正にケンブリッジアナリティカ社(英国の分析会社)に共有された事案。
     
  5. ⑶ 不正アクセス事案
  6.    本年9月末に公表された、フェイスブック社のシステムの脆弱性を利用したハッキングによってユーザーアカウントの認証情報(アクセストークン)を窃取され、約2900万人の個人情報が不正アクセスを受けたことが判明した事案。

 具体的な行政指導の内容は、以下の4項目である。

続きはこちらから

バックナンバーはこちらから

 

(ふじわら・ひろき)

岩田合同法律事務所カウンセル。2003年東京大学法学部卒業。2008年弁護士登録。人事労務関連業務を中心に企業法務全般を取り扱う。
主な著作・論文として,「個人請負の労働者性の問題」(共著 労働調査会刊 2011年)。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

<連絡先>

〒100-6310 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング10階 電話 03-3214-6205(代表)

 

〈関連リンク〉



メールで情報をお届けします
(毎週火曜日・金曜日)