◆SH2141◆個人情報委、英国のEU離脱に伴う影響について 鈴木正人(2018/10/16)

個人情報委、英国のEU離脱に伴う影響について

岩田合同法律事務所

弁護士 鈴 木 正 人

 

 個人情報保護委員会(以下「個人情報委」という。)は、平成30年10月4日、英国のEU離脱に伴う個人データの取扱いに関する影響に関する事項を公表した。

 

1. 英国・EUの動き

 2016年6月に英国でEU離脱に関する国民投票が実施され、「離脱」派が過半数を獲得した。その後、英国は、2017年3月に、EU条約(リスボン条約)に基づき、EUに対してEU離脱を正式通知した。これを受けて、英国とEUは、同年6月に当該離脱に関する交渉を開始し、同年12月に、在英EU市民・在EU英国市民の権利保障、アイルランドとの国境問題、財政問題の解決(清算)などに関する離脱条件をめぐって大筋合意した(第1段階)。

 2018年に入り英国とEUで第2段階の交渉が行われ、同年3月には、移行期間の設置を含む英国とEUの間の離脱協定案が公表された。英国は上記離脱通知に従えば2019年3月30日にEUを離脱することになるが、離脱協定案は、同日から2020年12月31日までの移行期間を設置し、移行期間中は英国にEU法を適用することなどを定める。移行期間が実際に設定されるかについてEUと英国における協定の批准のスケジュール等を勘案すると2018年10月頃までに離脱協定の合意に達しないと2019年3月30日までに離脱協定の批准が完了しない可能性が高いとされている。この場合のシナリオとして、英国が取決めなしにEUを離脱するケース(合意なき離脱、いわゆる「ノー・ディール」)や交渉期間延長が行われるケースなどが想定される。

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(すずき・まさと)

岩田合同法律事務所パートナー。2000年東京大学法学部卒業。2002年弁護士登録。2010年ニューヨーク州弁護士登録。2010年4月から2011年12月まで金融庁・証券取引等監視委員会事務局に在籍。『FATCA対応の実務』(共著、中央経済社、2012年)、『Q&Aインターネットバンキング』(共編著 金融財政事情研究会、2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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