◆SH2034◆厚生労働省、裁量労働制の運用の適正化に向けた自主点検結果を公表 村上雅哉(2018/08/21)

厚生労働省、裁量労働制の運用の適正化に向けた自主点検結果を公表

岩田合同法律事務所

弁護士 村 上 雅 哉

 

 厚生労働省は、本年2月、裁量労働制を導入している全国約1万3千の事業所に対し、裁量労働制の自主点検に係る調査票を送付していたところ、今般、その調査票に対する回答結果をまとめたデータを公表した。このような全国規模での調査が実施された背景には、裁量労働制を不適切に運用する事業所が多々見受けられることがある。

 労働基準法は、一定の専門的・裁量的業務に従事する労働者について、実際の労働時間数にかかわらず一定の労働時間数だけ労働したものとみなす裁量労働制を設けており、専門業務型裁量労働制と企画業務型裁量労働制が定められている。

 これら2種類の裁量労働制においては、時間外労働について残業代を支払わなくてよいとか、深夜残業代を支払わなくてよいと誤解する向きもある。しかし、裁量労働制の対象従業員についても、休憩(労働基準法34条)、休日(同法35条)、時間外・休日労働(同法36条・37条)、深夜業(同法37条)の法規制は依然として及ぶので、みなし労働時間数が法定労働時間をこえる場合には、三六協定の締結・届出と割増賃金の支払が必要であるし、深夜時間帯に労働が行われた場合には、割増賃金の支払が必要となる。

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(むらかみ・まさや)

岩田合同法律事務所パートナー。2001年東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。破産手続、民事再生や会社更生などの法的整理(債権者側および債務者側の双方から関与)や私的整理などの倒産案件や債権回収案件を中心に、上場企業、非上場企業のほか地方公共団体などを依頼者とする多種多様な案件について幅広い経験を有する。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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