◆SH2019◆企業法務フロンティア「台湾会社法(公司法)の大改正の要点」 田口洋介(2018/08/07)

企業法務フロンティア
台湾会社法(公司法)の大改正の要点

日比谷パーク法律事務所

弁護士 田 口 洋 介

 

第1 会社法改正案の可決

 台湾の立法院(国会)は、2018年7月6日に会社法(公司法)の改正案を可決した。今回の改正は会社法449条中約148条を改正する大改正であり、2001年の会社法改正以来、最大の改正となった。

 今回の改正法は、「国際化・電子化」、「企業経営の柔軟性の向上」そして「コーポレートガバナンス(公司治理)の強化」を主な狙いとしている。

 改正の要点は以下のとおりである。なお、施行日は今後決定される。

 

第2 国際化・電子化

1. 外国企業の台湾進出促進を狙った改正

 現行法において外国会社が、台湾国内に支社を設け、台湾国内の会社と同一の権利能力を有するものとされるには、台湾の経済部の「認許」(許可)を取得する必要があったところ、改正法は、国際化のニーズに対応するため、このような制限を撤廃し、外国会社の認許の取得は不要とされた(改正法4条)。なお、日本企業が台湾に現地法人を設立する場合は、別途、外国人投資条例の規定に基づく投資の申請手続が必要である。

 また、現行法では、会社は中国語名称でしか登記することができなかったところ、中国語名称とともに、外国語表記の社名でも事前審査なしに登記することができるようになった(改正法392条の1)。

 このように、外国企業にとって設立手続がよりシンプルになり、かつ柔軟になったのは、外国企業がより台湾に進出しやすくする事業環境作りに狙いがある。

 なお、現行の会社法1条は、単に「会社」を定義するだけの条文であるが、CSRやコンプライアンスを強調する近年の国際的な風潮を受け、改正法1条には、会社は法令や企業倫理を遵守し、社会的責任を果たすため、公益を促進する行動をとるべきである旨追記される。これは、企業が社会にもたらす影響の重大性に鑑みて、企業は営利追求だけでなく、法令及び企業倫理を遵守し、公益に資する存在であるべきとする理念を示すものであり、大変興味深い。

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(たぐち・ようすけ)

日比谷パーク法律事務所 弁護士。幼少期より高校卒業まで米国・香港にて通算13年間を過ごす。2009年:早稲田大学社会科学部卒業。2011年:米国ペンシルバニア大学ロースクール修士課程(LL.M.)修了。2013年:早稲田大学法科大学院修了。2014年:弁護士登録。日比谷パーク法律事務所入所。クロスボーダー取引及び紛争処理案件を中心に従事。

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/
所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

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