◆SH2003◆コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(91)雪印乳業㈱グループの事件を組織論的に考察する① 岩倉秀雄(2018/07/31)

コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(91)

―雪印乳業(株)グループの事件を組織論的に考察する①―

経営倫理実践研究センターフェロー

岩 倉 秀 雄

 

 前回は、スポーツ組織のコンプライアンスのまとめを述べた。

 スポーツには、人々をポジティブにし達成感や感動を共有する素晴らしい面がある一方、選手、指導者、競技団体役員は「不正のトライアングル(動機、機会、正当化)に巻き込まれやすく、スポーツ組織には、、内向き、派閥中心、自由な発言の封殺、人権侵害、情報隠蔽、暴力肯定、金銭管理の不透明、外部の働きかけによる組織混乱、不祥事対応が遅れやすい等、マイナスの組織特徴がある。

 マイナス面を改善するためには、理念・ビジョン・行動規範の明確化と周知徹底、②コンプライアンス担当役員の選任と実行組織の設定、③コンプライアンス・アンケートの定期的な実施による、リスクの早期発見と対策の実施、④相談窓口の設置、⑤教育・研修の徹底、⑥ガバナンスの改革(独立理事選任の義務付け、役員・監督・コーチ・代表選手の選考基準の明確化と厳正な運用、成功例からの学習、経理システムの明確化と厳格な運用、情報開示の徹底、監査・内部監査の充実)等が必要である。

 今回から、複数回にわたり、筆者が共同執筆した『雪印乳業史 第7巻』をベースに、雪印乳業()グループの食中毒事件と牛肉偽装事件について、組織論の視点から考察する。

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(いわくら・ひでお)

経営倫理実践研究センターフェロー、日本経営倫理士協会主任フェロー研究員。

1976年北海道大学農学部卒、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)に入会し、全酪連乳業統合準備室長兼日本ミルクコミュニティ(株)設立準備委員会事務局次長、日本ミルクコミュニティ初代コンプライアンス部長。雪印メグミルク(株)社史編纂室で、『日本ミルクコミュニティ史』と『雪印乳業史第7巻』を編纂(共著)し、2016年10月よりCSR部に異動。

青山学院大学大学院修士課程修了、雪印メグミルク(株)時代に、一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務コース博士後期課程を単位取得退学。

なお、業務の傍ら、トライアスロンの草創期にハワイ等のアイアンマンレースを3回完走した。

 

 




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