◆SH1974◆ベトナム:【Q&A】労働者の秘密保持と兼業禁止 井上皓子(2018/07/18)

ベトナム:【Q&A】労働者の秘密保持と兼業禁止

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 井 上 皓 子

 

  1. Q. 当社は、ある分野においてノウハウを有しており、これが当社の強みとなっています。この度、ベトナム人の従業員を新規に採用しようと考えています。採用を検討しているポジションは、ノウハウを含め、当社の機密性が高い情報に接する機会が多いため、秘密保持の目的で、在職中に同業他社との兼職を禁止したいのですが、法律上これは可能ですか。
     
  2. A. 結論から申し上げますと、残念ながら、同業他社を含めた他社との兼職を禁止することは、以下の理由により法律上難しいと考えられます。

 

 まず、自由に職業を選択することはベトナムでも憲法において認められた公民の基本的な権利の一つとされています(憲法35条)。労働法においても、労働者には職業選択の自由があると規定されています(労働法5条1項a号)。そのため、一般的に、労働者の職業選択の自由を一方的に制限することは、労働者の権利を侵害する行為となります。

 次に、労働法において、労働者は、複数の使用者と雇用契約を締結することが原則として認められています。具体的には、労働法21条は次のとおり規定しています。

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(いのうえ・あきこ)

2008年東京大学法学部卒業。2010年東京大学法科大学院修了。2011年弁護士登録(第一東京弁護士会)。2018年より、長島・大野・常松法律事務所ハノイ・オフィス勤務。
現在はハノイに駐在し、日本企業による事業進出、人事労務等、現地における企業活動に関する法務サポートを行っている。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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