◆SH1942◆公取委、株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版に対する勧告 山田祐大(2018/07/03)

公取委、株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版に対する勧告

岩田合同法律事務所

弁護士 山 田 祐 大

 

1 はじめに

 公正取引委員会は、平成30年6月21日、株式会社マイナビ及び株式会社マイナビ出版(以下、両会社を併せて「2社」という。)に対し、いわゆる消費税転嫁対策特別措置法(以下「特措法」という。)第3条第1号後段に規定される「買いたたき」行為をしたことにより、同法に違反したとして、同法第6条第1項の規定に基づく勧告(2社の役員・従業員に勧告内容を周知徹底すること、法令遵守へ向けた社内体制の整備をすること等を内容とするもの。)を行った。

 2社は、同日、同勧告を真摯に受け止め法令遵守に努める等の声明を公表したが、特措法違反の原因について同法の理解が充分でなかった旨の説明をしている。

 本稿では、本事案の概要を説明しつつ、事業者が看過しがちな特措法の盲点を紹介したい。

 

2 本事案の概要

 本事案を簡単に説明すると、2社は、原稿作成業務等のサービスの買い手であったところ、同サービスの売り手であるフリーランスのライター等へ支払うべき代金について、平成26年4月1日から消費税率が8%に引き上げられたことに伴い、本来ならば、その引き上げ分を上乗せした代金を支払う必要があった。にもかかわらず、2社は、消費税率引き上げ分を上乗せしていない金額分の代金を支払うにとどめており、消費税率引き上げ分をライター等に負担させたというものである(詳細については下図参照)。

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(やまだ・ゆうた)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2009年早稲田大学卒業後、2011年一橋大学法科大学院修了。2012年検事任官。大阪地検、東京地検、水戸地検等の勤務を経て2018年4月「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づき弁護士登録、岩田合同法律事務所入所。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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