◆SH1920◆フィリピン:労働力のみの請負の禁止 坂下 大(2018/06/21)

フィリピン:労働力のみの請負の禁止

長島・大野・常松法律事務所

弁護士 坂 下   大

 

 フィリピンはシンガポール等と比較すると労働者保護に厚い労働法制を有し、例えば従業員の解雇の際には正当な理由が要求され、また一定の手続の履践が求められる。このため、フィリピン企業が自社の事業に必要な労働力を自らの従業員として確保することに慎重になり、外部業者への業務委託(請負)によってかかる労働力を賄う例もみられるが、このような場合、フィリピン法上「労働力のみの請負(labor-only contracting)」が禁止されていることに留意する必要がある。日本においても、外部からの労働力の確保(例えば自社の業務を処理する他社の従業員に自ら指揮命令を行うこと)については労働者派遣や労働者供給に関する一定の制限があるが、かかる制限を遵守せずに、実体は労働者派遣等であるにもかかわらず業務処理請負の形式を偽装するいわゆる「偽装請負」が問題となることがある。フィリピンでも同様に、上記規制を遵守しない請負の例が社会問題化しており、近時当局がその取締りを強化していることも相俟って、日系企業を含むフィリピン進出企業における法務の大きな関心事ともなっている。

 

1. 労働力のみの請負とは

 フィリピン労働法及びその関連法令(労働雇用省令2017年174号等)上、以下のいずれかに該当する請負のアレンジは、「労働力のみの請負」に該当し、禁止される。

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(さかした・ゆたか)

2007年に長島・大野・常松法律事務所に入所し、クロスボーダー案件を含む多業種にわたるM&A、事業再生案件等に従事。2015年よりシンガポールを拠点とし、アジア各国におけるM&Aその他種々の企業法務に関するアドバイスを行っている。

慶應義塾大学法学部法律学科卒業、Duke University, The Fuqua School of Business卒業(MBA)。日本及び米国カリフォルニア州の弁護士資格を有する。

長島・大野・常松法律事務所 http://www.noandt.com/

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