◆SH1910◆企業法務フロンティア「芸能人やスポーツ選手の契約を考える」 中川直政(2018/06/15)

企業法務フロンティア
芸能人やスポーツ選手の契約を考える

――CPRC「人材と競争政策に関する検討会 報告書」を念頭に――

日比谷パーク法律事務所

弁護士 中 川 直 政

 

 芸能人が、その所属事務所である芸能プロダクションから独立・移籍する際のトラブルが、しばしば報じられている。報道によっては、芸能人と所属事務所の契約は、長期にわたる契約期間によって芸能人を拘束し、その独立や移籍を制限する「奴隷契約」などと揶揄されることがある。

 この点に関連して、公正取引委員会内に設置されている競争政策研究センター(CPRC)は、2018年2月15日付けで「人材と競争政策に関する検討会 報告書」(以下「報告書」)を公表した。近時、労働契約以外の契約形態によって企業からの指揮命令を受けずに役務提供を行う「フリーランス」と呼ばれる人材の人口は1,000万人を超えると言われ、我が国の労働市場においてフリーランスは大きな存在となりつつある。報告書は、フリーランスのような「個人として働く者」の獲得をめぐる競争について検討しており、芸能人と芸能プロダクションの契約やプロスポーツ選手契約の関連でも大いに注目されている。報告書を概観しながら、これらの契約のあり方について考えてみたい。

 

 企業がフリーランスを含む優れた人材を確保することは、企業の提供する商品・サービス市場における競争力を高めることは言うまでもない。そこで、「商品・サービス市場」における競争だけでなく、「人材獲得市場」においても競争が存することに着目し(下記の図を参照)、そのような人材獲得をめぐる競争にも独占禁止法が適用され得ることを指摘したのが、この報告書である。

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(なかがわ・なおまさ)

日比谷パーク法律事務所 弁護士(パートナー)。2000年 東京大学法学部卒業、2001年 弁護士登録(第二東京弁護士会)、2008年 米国ノースウェスタン大学スクール・オブ・ロー修士課程(LL.M.)修了、2009年 ニューヨーク州弁護士登録。

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/
所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

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