◆SH1866◆企業法務フロンティア「グループ内部通報制度に関する最高裁判決」 野宮 拓(2018/05/28)

企業法務フロンティア
グループ内部通報制度に関する最高裁判決

日比谷パーク法律事務所

弁護士 野 宮   拓

 

 平成30年2月15日、上場企業各社が整備しているグループ内部通報制度の設計に影響を及ぼすと思われる最高裁判決が出された(http://www.courts.go.jp/app/hanrei_jp/detail2?id=87458)。

 本件は、上場企業の子会社にて勤務していた契約社員が他の子会社の従業員からセクハラを受けたとして、当該従業員、勤務先会社、当該従業員の所属する会社及び親会社たる上場企業に対して債務不履行及び不法行為に基づき損害賠償を求めた事案である。最高裁は、親会社の法的責任を認めた控訴審判決を覆し、親会社の法的責任を否定したものの、企業集団の業務の適正の確保等を目的として親会社がグループ会社の従業員向けに法令遵守等に関する相談窓口を設けている場合には、一定の場合にはグループ会社の従業員に対して適切に対応すべき信義則上の義務を負う場合があることを認めた。

 事案の概要は以下のとおりである。

 被上告人Xは上告人Y1の子会社Y2に契約社員として雇用され、Y1社の事業所内でY2社がY1社の別の子会社Y3から請け負っている業務に従事していた。

 Y1社は、法令等の遵守に関する事項を社員行動基準に定め、Y1社の取締役及び使用人の職務執行の適正並びにグループ会社から成る企業集団の業務の適正等を確保するためのコンプライアンス体制(「本件法令遵守体制」)を整備しており、その一環として、グループ会社の役員、社員等が法令等の遵守に関する事項を相談することができるコンプライアンス相談窓口(「本件相談窓口」)を設け、上記の者に対し、本件相談窓口制度を周知してその利用を促し、相談の申出があればこれを受けて対応するなどしていた。

続きはこちらから

企業法務フロンティアのバックナンバーはこちら

 

(のみや・たく)

日比谷パーク法律事務所 弁護士(パートナー)。1998年早稲田大学法学部卒業、2000年弁護士登録、三井安田法律事務所入所、2004年日比谷パーク法律事務所入所、2006年米国ペンシルバニア大学ロースクール修士課程(LL.M.)修了、2007年ニューヨーク州弁護士登録。
・公益社団法人日本プロサッカーリーグ法務委員会委員長
・公益社団法人ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ法務委員会委員長
・カブドットコム証券株式会社 社外取締役
・株式会社鉄人化計画 社外取締役

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/

所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

詳しくは、こちらをご覧ください。

 




メールで情報をお届けします
(毎週火曜日・金曜日)

サイト内検索