◆SH1830◆実学・企業法務(第137回)法務目線の業界探訪〔Ⅱ〕医藥品、化粧品 齋藤憲道(2018/05/14)

実学・企業法務(第137回)

法務目線の業界探訪〔Ⅱ〕医藥品、化粧品

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

〔Ⅱ〕医薬品、化粧品

〔Ⅱ-1〕医薬品

6. 事故・事件の例 

 国が定めた医薬品の製造に関するルールに違反したことが問題になった事例を次に挙げる。

 

(例)化血研問題[1] 

 熊本市の一般財団法人化学及血清療法研究所(以下、「K」という。)が、国の承認していない方法で「血漿分画製剤」(以下、「血液製剤」という。)及び「ワクチン製剤」を製造していたとされる問題で、第三者委員会が報告書をKに提出し、厚生労働省の措置等が行われた。

  1. (注) 報告書には、「血液製剤が人体に対して危険を及ぼすことを示す証拠が見当たらないこと」、及び、「ワクチン製剤について(略)重篤な副作用の報告がなされたという事実は確認できなかった」旨が記載されている。
  1. 〔参考にしたい教訓〕
  2. ・ 企業の中で遵法を徹底する最適な方法を選択する。
    社内の人事異動、外部人材の起用、実務に精通した正義漢を現場に配属
    内部監査・審査の徹底(定期、事前予告、抜き打ちをミックス)
    内部通報制度の整備、及び、内部通報への迅速・適切な対応
  3. ・ 違反行為が発生した初期段階で、ルールを点検する。
    社内ルールを改善する。
    公的な基準が陳腐化したと考える場合は、社内外の識者を集めて当該基準更新の必要性を検討する。必要があれば、当局と協議する。
  4. ・ 違反者は信賞必罰(上位者ほど責任が大きい)。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 




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