◆SH1813◆企業法務フロンティア「買収防衛策更新における検討課題―機関投資家の2018年議決権行使基準を踏まえて」水野信次(2018/05/07)

企業法務フロンティア
買収防衛策更新における検討課題

~機関投資家の2018年議決権行使基準を踏まえて~

日比谷パーク法律事務所

弁護士 水 野 信 次

 

 海外の機関投資家の議決権行使に強い影響力を有するグラス・ルイスやISSはいずれも買収防衛策に否定的な立場である。

 また、2017年5月29日になされた「日本版スチュワードシップ・コード」の改訂を踏まえて、国内機関投資家もそれぞれ議決権行使基準を定め、各自の基準に従って厳格に議決権を行使する動きが一挙に加速した。主要な国内機関投資家である信託銀行及び投資顧問会社等が、株主総会において投資先の買収防衛策議案に対してどのような議決権行使を行ったかについて、各機関投資家のウェブサイトに開示されている議決権行使結果を集計した、ある証券代行の調査結果によれば、「買収防衛策」議案の賛成率は、主要な国内機関投資家の賛成率平均で12.5%であり、3年前と比較可能なところでは、賛成率平均で16.5%と3年前と比べ▲21.1ポイントの大幅な減少であったとのことで、2017年7月末までの1年間に、買収防衛策の有効期間の満了を迎えた会社213社のうち、買収防衛策の廃止又は非継続(経営統合や上場廃止を含む)した会社が44社(213社の20.7%)もあったとのことである。その一方で、当該調査結果によれば、買収防衛策を継続又は更新した会社が169社(213社の79.3%)あり、有効期間を満了する買収防衛策を継続する要請も未だ少なくないと思われる。

 そこで、本稿では、2018年議決権行使基準等を踏まえ、買収防衛策を更新する場合に、機関投資家から賛成が得られやすいようにする改訂ポイントを探ってみたい。

続きはこちらから

企業法務フロンティアのバックナンバーはこちら

 

(みずの・しんじ)

日比谷パーク法律事務所 弁護士(パートナー)。1995年名古屋大学法学部卒業、2000年弁護士登録、三井安田法律事務所入所、2004年日比谷パーク法律事務所入所。
・昭和リース㈱社外監査役(2009年~現任)
・プロミス㈱「公開買付けに関する第三者委員会」委員長(2011年)
・ローランド㈱「マネジメント・バイアウト(MBO)の取引に関する第三者委員会」委員長(2014年)
・タキロン㈱(現タキロンシーアイ㈱)「シーアイ化成株式会社との経営統合に係る第三者委員会」委員長(2016年)
・㈱メルコホールディングス「シマダヤ株式会社との株式交換に関する第三者委員会」委員長(2017年)
・東都水産㈱「株式会社三陽またはその子会社への固定資産譲渡に係る関連当事者取引調査委員会」委員長(2017年)

ほか多数の社外役員・第三者委員会委員を歴任。

日比谷パーク法律事務所 http://www.hibiyapark.net/
所属する弁護士がそれぞれコーポレートガバナンス等の会社法、M&A、特許法・著作権法等の知的財産権法、ファイナンス法、スポーツ法、システム開発を含むデジタル法、紛争処理などの得意分野に精通し、各分野のトップランナーとして「少数精鋭」と呼ばれるにふさわしいリーガル・サービスを提供するブティック型ファーム。

詳しくは、こちらをご覧ください。

 




メールで情報をお届けします
(毎週火曜日・金曜日)

サイト内検索