◆SH1809◆わが国におけるヘッジファンド・アクティビズムに対する法的対応と課題(7) 山田剛志/井上健(2018/05/02)

わが国におけるヘッジファンド・アクティビズムに対する法的対応と課題(7)

成城大学法学部
教授 山 田 剛 志

バークレイズ証券株式会社
金融法人部長・マネジング・ディレクター 井 上   健

 

5. 対象企業によるアクティビスト・ファンドへの対処方法

(1) コーポレートガバナンス・コードと日本市場の変化

 アクティビスト・ファンドからのアプローチに対して、企業側はどのような対応をすべきなのであろうか。一昔前には、日本企業の経営者の中にはアクティビスト・ファンドとの接触を一切拒否する企業もあった。これは、一部のアクティビスト・ファンドの主張が稚拙で筋悪のケースが多かった面も考えられる。アクティビスト・ファンドは「悪者」、「乗っ取り屋」、「会社の解体屋」であるという極めて悪いイメージが、このような過剰な拒否反応を引き起こしていた原因の一つと考えられる。また、サラリーマン出身の社長が大半を占める日本の大企業からすると、一部の外部株主が素人同然の主張を声高に振りかざすことは、「日本企業の文化(コーポレート・カルチャー)」や「日本的な経営」を破壊するものであり、心理的に到底受け入れられないという側面もあったと考えられる。

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(やまだ・つよし)

博士(法学)。一橋大学大学院法学研究科博士後期課程単位取得後、新潟大学法学部助教授、実務法学研究科准教授を経て、2009年より成城大学法学部教授。2004年より弁護士登録(現在は東京弁護士会に所属)。株式会社トップカルチャー社外監査役、日本瓦斯株式会社社外監査役を務める。
「デリバティブ取引と法人顧客への説明義務および適合性原則――東京高判平成26年3月20日を中心に」判例タイムズ1438号(2017)、「証券会社の破綻処理と証券会社取締役の注意義務」金融・商事判例1483号(2016)ほか業績多数。

 

(いのうえ・たけし)

東京大学法学部卒、ペンシルベニア大学ウォートン・スクールにて経営学修士号(MBA)取得。大蔵省(現 財務省)、モルガンスタンレー証券、シティグループ証券等を経て、2016年10月よりバークレイズ証券に勤務。バークレイズ証券では、投資銀行部門 金融法人部長・マネージングディレクターとして、銀行、保険、ノンバンク、PEファンド等のM&Aや資金調達案件を担当。
サードポイント(米)からの敵対的提案に対するソニーの買収防衛、外国人株主らによる敵対的提案に対するオリンパスの防衛などの案件を担当し、クロスボーダーの企業買収、国内産業再編、企業再生、敵対的買収防衛案件など、複雑で難易度の高い案件について豊富なアドバイス経験・実績を有する。

 




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