◆SH1760◆国交省、民法改正及び家賃債務保証業者を利用した契約の増加等を踏まえ、「賃貸住宅標準契約書」を改定 羽間弘善(2018/04/10)

国交省、民法改正及び家賃債務保証業者を利用した契約の増加等を踏まえ、
「賃貸住宅標準契約書」を改定

岩田合同法律事務所

弁護士 羽 間 弘 善

 

 国土交通省では、賃貸借契約をめぐる紛争を防止し、借主の居住の安定及び貸主の経営の合理化を図ることを目的として、住宅宅地審議会答申(平成5年1月29日)で賃貸住宅標準契約書を作成している。

 国土交通省は、今般、この賃貸住宅標準契約書を改定したことを発表した。今般の改定では、標準契約書について、従来は連帯保証人が個人である場合を想定した一種類のみが作成されていたところ、機関保証を利用する場合を想定した「家賃債務保証業者型」と従来から想定されている個人の連帯保証人の場合を想定した「連帯保証人型」の二種類作成された。新たに作成された「家賃債務保証業者型」については、近年、住宅の賃貸借において、新規契約の約6割が機関保証を利用していることを踏まえて作成されたものであり、従来の標準契約書の「連帯保証人型」についても、民法改正によって、個人が根保証人となるケースについて極度額を設定することが要件化されたこと等を踏まえ、極度額の記載欄を設ける等の修正がなされている。

 以下では、「連帯保証人型」の標準契約書の民法改正との関係について、簡単に解説する。

 

 改正民法では、個人が保証人になる場合の規律につき、大きな改正が行われた。

 現行民法は、個人を根保証人とする根保証契約の中で、金銭の貸渡し等によって負担する債務を主債務の範囲に含む貸金等根保証契約についてのみ、極度額を定めなければならないものとしている(現行民法465条の2)。

 しかし、貸金等根保証契約以外にも、個人である保証人が予想を超える過大な責任を負うおそれは、同様にあり得る。そこで、貸金等根保証契約以外の根保証についても同様の規律を及ぼすことの要否について、法制審議会民法(債権関係)部会にて審議が重ねられたが、下級審裁判例の中には、賃借人が長期にわたり賃料を滞納したり、賃借人が賃借物件で自殺した事案などで、親類や知人である個人保証人に過大な責任の履行を求めることが適切であるのかが問題となったものがあったことから、かかる規律を拡大すべきであるとの意見が大勢を占めた(筒井健夫=松村秀樹編著『一問一答 民法(債権関係)改正』(商事法務、2018)135頁)。

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(はざま・ひろよし)

岩田合同法律事務所弁護士。2010年東京大学工学部卒業。2013年東京大学法科大学院終了。2014年弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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