◆SH1610◆GPIF、国内株式運用機関が選ぶ『優れた統合報告書』と『改善度の高い統合報告書』の公表 泉 篤志(2018/01/30)
GPIF、「GPIFの国内株式運用機関が選ぶ『優れた統合報告書』と『改善度の高い統合報告書』の公表について」を掲載
岩田合同法律事務所
弁護士 泉 篤 志
年金積立金管理運用独立行政法人(GPIF)は、平成30年1月19日、国内株式の運用委託先である16機関(以下「運用機関」)に対して選定を依頼していた「優れた統合報告書」及び「改善度の高い統合報告書[1]」に関して、それぞれ選定された企業名(「優れた統合報告書」につき70社、「改善度の高い統合報告書」につき68社)のリストを公表するとともに、特に多くの運用機関から高い評価を得た企業に対する主なコメントを公表した。
統合報告(Integrated Reporting)とは、企業における価値を創造する活動について、当該企業及びそのステークホルダーとの間でコミュニケーションを行うプロセスであり、そのプロセスの結果として作成されるものの一つがいわゆる「統合報告書」である。統合報告書の作成は法律上義務付けられているものではないが、経営者のメッセージをステークホルダーに伝えるIRの一環として利用されており、平成28年には279社(うち262社は東証一部上場企業)において発行されている[2]。これらの会社においては、平成25年12月に国際統合報告評議会(IIRC)が公表した「国際統合報告フレームワーク」を参考にして統合報告書を作成しているものと思われる。
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(いずみ・あつし)
岩田合同法律事務所パートナー。2004年東京大学法学部卒業。2005年弁護士登録。2013年University of Southern California卒業 (LL.M.)。2014年ニューヨーク州弁護士登録。「特集 改正会社法と実務対応Q&A」(共著 金融法務事情2014年9月25日号)、「IPOと戦略的法務-会計士の視点もふまえて」(共著 商事法務 2015年)等著作多数。
岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/
<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。
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