◆SH1572◆最一小判、不動産は、商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たるとする判断 鈴木友一(2018/01/09)

最一小判、不動産は、商法521条が商人間の留置権の目的物として定める「物」に当たるとする判断

岩田合同法律事務所

弁護士 鈴 木 友 一

 

1 概要

 最高裁は、平成29年12月14日、不動産は、商法521条が規定する「物」に当たり、商人間の留置権(以下「商事留置権」という。)の目的物になるとの判断を示した(最高裁平成29年(受)第675号同年12月14日第一小法廷判決。以下「本件判決」という。)。

 以下、本件の事案の概要とともに本件判決の判断を概観した上で、上記の論点にかかるこれまでの議論と今後見込まれる影響等を簡単に紹介する。

 

2 事案の概要と本件判決の判断

 本件は、生コンクリートの製造等を目的とする会社である上告人が、一般貨物自動車運送事業等を目的とする会社である被上告人に対し、上告人が所有し被上告人に賃貸していた土地につき、賃貸借契約を解除したとして明渡し等を求めた事案である。これに対し、被上告人は、上告人との間の運送委託契約によって生じた運送委託料債権を被担保債権とする商事留置権が成立すると主張して、上告人の請求を争った。

 原審は、被上告人が主張する商事留置権の成立を認めた。これに対し、上告人が、不動産は商法521条が定める「物」に当たらず、原審の判断には法令の解釈適用の誤りがあると主張して上告した。

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(すずき・ゆういち)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2009年東京大学法科大学院修了。2011年1月判事補任官。広島地裁、静岡地家裁浜松支部の勤務を経て、2016年4月「判事補及び検事の弁護士職務経験に関する法律」に基づき弁護士登録。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

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1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

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