◆SH1526◆アルゼンチン進出時の選択肢-新しい法人形態の登場(2) 古梶順也(2017/12/04)

アルゼンチン進出時の選択肢-新しい法人形態の登場(2)

西村あさひ法律事務所

弁護士 古 梶 順 也

 

2. 法人形態

(3) Sociedad por Acciones Simplificada (SAS)

 2017年4月12日、アルゼンチンにおいてStart-up企業の起業促進等を目的とした法律(Ley de Apoyo al Capital Emprendedor, 法律第27349号。以下「起業促進法」という。)が成立した。起業促進法は、一定のStart-upプロジェクトに関する税務恩恵を定めるほか、より簡易な形での成立が可能なSociedad por Acciones Simplificada (SAS)という法人形態を新たに創設した。SASは、2017年9月1日に利用可能になったばかりであるため、未だ利用例は少ないが、株主が1名でも問題ないほか、以下の特徴を持ち、SRLやSAと比べて会社の設立・維持コストも少なく済むため、今後利用が増えるのではないかと考えられる。

  1. ⅰ. 銀行等により認証された署名が付された私的証書や電子署名を用いたインターネットによる簡易な形での設立が可能
  2. ⅱ. 商業登記所の承認を受けるべき定款や公告について所定のテンプレートを使用すれば、申請日の翌営業日から24時間以内に設立についての商業登記所での登録及びTax IDの取得が可能
  3. ⅲ. SASを規制する起業促進法には義務的な規制が少ないため、会社の機関設計等会社の内容について比較的自由に設計できる
  4. ⅳ. 議事録・財務書類等の会社関係書類の管理や必要な商業登記所への登録につき、電磁的な方法によることができる

 SASは、いわゆるStart-up企業の起業促進のために創設されたものであるが、その利用に制限はなく、外国法人が新たに会社を設立する場合にも利用できる。また。既に設立されているSRLやSAからSASへの組織変更も可能である。

 SASは、上記の他、以下の特徴を有している。

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(こかじ・じゅんや)

西村あさひ法律事務所弁護士。2008年弁護士登録。2014-2015年伊藤忠商事株式会社出向。2016-2017年Mattos Filho法律事務所(サンパウロ)出向。2017年よりMarval, O'Farrell & Mairal法律事務所(ブエノスアイレス)に出向し、国内外のM&A、一般企業法務のほか、ブラジルおよびアルゼンチンを中心とした中南米諸国の法務案件に取り組む。

西村あさひ法律事務所 https://www.jurists.co.jp/

当事務所は、現在500名を超える弁護士・外国弁護士その他の専門家を擁するわが国最大の総合法律事務所です。

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さらに、2012年8月には、当事務所の基本理念の下、国際 的なネットワークや実績を活かしたリーガルサービスを日本国内で更に幅広く提供するため、弁護士法人西村あさひ法律事務所を設立し、名古屋、大阪に事務所 を開設し、2013年7月には福岡に事務所を開設いたしました。これらのネットワークの充実により、ボーダレスな企業法務のワンストップ・サービスをこれ まで以上に広く提供してまいります。

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