◆SH1509◆東京地判、元従業員らに対する秘密保持義務違反に基づく損害賠償請求が棄却された事例 青木晋治(2017/11/21)

東京地判、元従業員らに対する秘密保持義務違反に基づく損害賠償請求が棄却された事例

岩田合同法律事務所

弁護士 青 木 晋 治

 

1. 事案の概要等

 本件は、原告が、原告の元従業員である被告甲が転職先である株式会社(以下「被告会社」という。)に対して原告の取引先等の機密情報を開示し、被告会社への転職後に当該機密情報を利用して原告の取引先に営業活動を行い、取引先を奪ったとして、被告甲、被告会社、被告会社の代表者取締役であった被告乙に対し、債務不履行又は不法行為責任に基づき損害賠償請求等をした事案である。

 被告甲は、入社時に、原告に対し「誓約書兼同意書」を提出していたところ、「誓約書兼同意書」には、以下の条項(以下「本件秘密条項」という。)があった。

被告甲は、原告在籍中はもとより退職(退任)後においても、業務上知り得た次に掲げる機密事項を会社外の第三者に対して漏えいせず、業務上の必要がある原告従業員以外の者に開示せず、業務外の目的による使用行為(情報へのアクセス権限を越えた情報システムの使用行為を含む。)をせず、また、当該機密事項を用いての営業、販売行為は行わない。

  1. ① 原告の経営上、営業上、技術上の情報の一切
  2. ② 原告の顧客、取引先に関する情報の一切
  3. ③ 原告が顧客、取引先と行う取引条件など取引に関する情報の一切
  4. ④ その他、原告が機密事項として指定する情報の一切

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(あおき・しんじ)

岩田合同法律事務所アソシエイト。2007年慶應義塾大学法科大学院卒業。2008年弁護士登録。『新商事判例便覧』(共著、旬刊商事法務、2014年4月25日号~)、『Q&A 家事事件と銀行実務』(共著、日本加除出版、2013年)、『民事再生手続における取立委任手形にかかる商事留置権の効力』(共著、NBL969号、2012年)、「金融ADRから学ぶ実務対応」(共著、銀行実務2012年10月号)(共著、金融財政事情研究会、2014年)等著作多数。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>
1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

<連絡先>
〒100-6310 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング10階 電話 03-3214-6205(代表)

 
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