◆SH1496◆経団連、不正競争防止法改正へのコメント 村上雅哉(2017/11/14)

経団連、不正競争防止法改正へのコメント

岩田合同法律事務所

弁護士 村 上 雅 哉

 

 経団連は、2017年11月2日付けで、不正競争防止法(以下「不競法」という。)の改正へのコメントを行った。現在、産業構造審議会知的財産分科会の不正競争防止小委員会では、データの不正取得や不正取得されたデータ流通の抑止と被害軽減のため、不競法の改正に向けた検討が行われており、これに対する経団連のコメントが公表された。

 不競法は、営業秘密の侵害に対する差止請求権や損害賠償請求といった民事的措置や、刑事罰について規定しているところ、同法による保護の対象となるのは、秘密として管理されたデータ、すなわち、自社のみ又は守秘義務等の契約等で権限のある者のみが使用可能な「営業秘密」のみであり、それ以外のデータについては、同法による保護を受けられないため、受領者との契約に基づいてデータを提供した場合に、当該受領者からデータが第三者に流出しても、データ提供者としては、契約違反を理由に当該受領者に対する損害賠償請求をすることは可能でも、流出先の第三者によるデータの使用や当該第三者からのさらなる流出について不競法に基づく差止請求をすることができない。近時、消費動向や人流等のデータを複数の企業が連携して活用するなど、データの利活用による新たな付加価値の創造が注目されているが、こうしたデータが社外に共有・提供される形で利活用される場合には、「営業秘密」として不競法による保護を受けられず、データ保有者としては社外へのデータ提供に慎重とならざるを得ず、わが国において官民一体で推進しようとしている、情報の利活用の進展を阻害することが懸念されている。

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(むらかみ・まさや)

岩田合同法律事務所パートナー。2001年東京大学法学部卒業。2003年弁護士登録。破産手続、民事再生や会社更生などの法的整理(債権者側および債務者側の双方から関与)や私的整理などの倒産案件や債権回収案件を中心に、上場企業、非上場企業のほか地方公共団体などを依頼者とする多種多様な案件について幅広い経験を有する。

岩田合同法律事務所 http://www.iwatagodo.com/

<事務所概要>

1902年、故岩田宙造弁護士(後に司法大臣、貴族院議員、日本弁護士連合会会長等を歴任)により創立。爾来、一貫して企業法務の分野を歩んできた、我が国において最も歴史ある法律事務所の一つ。設立当初より、政府系銀行、都市銀行、地方銀行、信託銀行、地域金融機関、保険会社、金融商品取引業者、商社、電力会社、重電機メーカー、素材メーカー、印刷、製紙、不動産、建設、食品会社等、我が国の代表的な企業等の法律顧問として、多数の企業法務案件に関与している。

<連絡先>

〒100-6310 東京都千代田区丸の内二丁目4番1号丸の内ビルディング10階 電話 03-3214-6205(代表)

 
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