◆SH1492◆不動産テック(Real Estate Tech)の実務と法律上の留意点・問題点(5・完) 成本治男(2017/11/10)

不動産テック(Real Estate Tech)の実務と法律上の留意点・問題点(5・完)

~不動産クラウドファンディングを中心に~

TMI総合法律事務所

弁護士 成 本 治 男

 

2. 日本における不動産テックサービスの類型

 (3) 情報検索サービス・不動産評価サービス
  1. ① 独自のアルゴリズムやディープラーニングAIによって、様々なオープンデータや各社の過去の取引情報などを基に、不動産の現在価値や成約価格などを推定・算出するサービスである。さらに、賃貸に出した場合の賃料額や将来の再販売価格なども推定・算出するサービスや、投資利回りなどの情報もあわせて提供するサービスもある。
     
  2. ② 不動産鑑定業
  3.   「不動産の鑑定評価」とは、不動産の経済価値を判定し、その結果を価額に表示することをいうとされている。この点、AI等によって不動産の現在価格等を算出するサービスも不動産鑑定業に該当してしまいそうであるが、「不動産鑑定業」とは、自ら行うと他人を使用して行うとを問わず、他人の求めに応じ報酬を得て、不動産の鑑定評価を業として行うことをいうとされているため、報酬を得ないで不動産の経済価値を判定・表示するのであれば「不動産鑑定業」に該当しないと解することが可能と考えられる。
     
  4. ③ 不動産投資顧問業
  5.    不動産の売買に関する助言を行うことを業として行う場合、「不動産投資顧問業」に該当し得るが、この不動産投資顧問業は任意の登録制度である。したがって、不動産投資顧問業の許認可等が強制されるものではない。

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(なりもと・はるお)

TMI総合法律事務所 パートナー弁護士 hnarimoto@tmi.gr.jp

1997年司法試験合格、1998年早稲田大学法学部卒業、2000年TMI総合法律事務所入所。流動化・証券化協議会会員、マンション再生協議会会員、信託法学会会員。大手国内証券会社のアセットファイナンス部門への出向経験を有し、主に不動産関連のファンド・流動化を中心とするストラクチャードファイナンス、日本版ESOPや知的財産信託等の信託活用スキーム及びFinTech・不動産Techに関わる商品設計を含めたリーガルサービスを得意分野とする。また、不動産の売買・賃貸借・仲介や建替え・再開発案件などの不動産取引一般についても多く経験を有する。IFLR 1000のStructured finance and securitizationの分野でleading lawyerとして、また、Chambers Asia及びBest Lawyersにおいて各不動産部門で、それぞれ選出されている。

 

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当事務所は、新しい時代が要請する総合的なプロフェッショナルサービスへの需要に応えることを目的として1990年10月1日に設立され、現在、日本法弁護士360名以上、日本法弁理士70名以上を擁する国内有数の大手総合法律事務所であり、また、海外の法律事務所、会計・税務事務所、コンサルティング事務所、その他各種専門機関とも提携して、幅広いニーズに適時に対応できる体制を整えております。