◆SH1487◆日本企業のための国際仲裁対策(第60回) 関戸 麦(2017/11/09)

日本企業のための国際仲裁対策

森・濱田松本法律事務所

弁護士(日本及びニューヨーク州)

関 戸   麦

 

第60回 仲裁判断後の手続(4)-仲裁判断の取消その4

1. 仲裁判断の取消

(8) 仲裁判断の取消に関する日本の裁判例(続)

 ③ 大阪高裁平成28年6月28日決定(原審・大阪地裁平成27年3月17日決定

 これは、一審である大阪地裁では仲裁判断が取り消されなかったが、二審である大阪高裁では仲裁判断が取り消され、その後最高裁に上訴がされているという案件である。最高裁がどのような判断をするかが、現在、注目されている。

 対象となった仲裁手続は、JCAAにおけるもので、仲裁地は大阪府であった。仲裁廷は3名の仲裁人によるものであった。

 仲裁判断の内容は、日系企業と米国企業との間の空調機器事業に関する契約関係について、日系企業の請求を認めるもので、日系企業に契約上の義務違反がないことを宣言し、他方、米国企業が求めた損害賠償金の反対請求は認めなかった。

 大阪高裁は、抗告人(一審申立人)である米国企業の主張を認め、日本の仲裁法44条1項6号(仲裁手続の法令又は当事者間の合意違反)を理由に仲裁判断を取り消したが、その要点は以下のとおりであった。

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(せきど・むぎ)

森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。訴訟、仲裁等の紛争解決の分野において、Chambers、Legal 500等の受賞歴多数。『日本企業のための米国民事訴訟対策』(商事法務、2010年)等、国際的な紛争解決に関する執筆、講演歴多数。
1996年東京大学法学部卒業、 1998年弁護士登録(第二東京弁護士会)、森綜合法律事務所(現在森・濱田松本法律事務所)入所、2004年シカゴ大学ロースクール(LL.M)卒業、 ヒューストン市Fulbright & Jaworski法律事務所にて執務、2005年ニュ-ヨーク州弁護士登録、2007年東京地方裁判所民事訴訟の運営に関する懇談会委員、2009年日本弁護士連合会民事裁判手続に関する委員会委員(現在副委員長)、2012年第二東京弁護士会司法制度調査会訴訟法部会部会長等。