◆SH1440◆コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(18)-合併組織の軋轢を減らす① 岩倉秀雄(2017/10/17)

 

コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(18)

――合併組織の軋轢を減らす①――

経営倫理実践研究センターフェロー

岩 倉 秀 雄

 

 前回は、合併組織の実態を踏まえ、合併組織に生じやすいコンプライアンス上の課題について考察した。合併組織は、一定の歴史を持つ単一の組織に比べて、共通の組織文化の形成や信頼関係の確立ができていない上に、コンフリクトの顕在化を抑制する統制力も確立されていないので、様々なコンプライアンス上のリスクが発生しやすい。

 今回は、それらの発生原因を踏まえて、合併組織のコンプライアンス施策のあり方について合併組織での筆者の経験を基に考察する。

 これまで考察したように、合併組織のマネジメントの要諦は、

  1. A: いかにコンフリクトの発生を抑制するか
  2. B:(コンフリクトが発生したとしても)コンフリクトの顕在化を調整するために有効な調整システムをどう設定し機能させるのか

である。

 このことに成功すれば、コンプライアンス面だけではなく、合併組織全体のパフォーマンスを高めることができる。

 

A.いかにコンフリクトの発生を抑制するか

 マーチ&サイモン[1]を踏まえれば、組織内でメンバー間に共同意思決定の必要感がありながら、「目的の差異」や「知覚の差異」が発生することがコンフリクトの発生原因であるから、まず、どうすれば「目的の差異」をなくすことができるかの考察から始める。

1. 「目的の差異」を少なくする視点からの考察

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(いわくら・ひでお)

経営倫理実践研究センターフェロー、日本経営倫理士協会主任フェロー研究員。

1976年北海道大学農学部卒、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)に入会し、全酪連乳業統合準備室長兼日本ミルクコミュニティ(株)設立準備委員会事務局次長、日本ミルクコミュニティ初代コンプライアンス部長。雪印メグミルク(株)社史編纂室で、『日本ミルクコミュニティ史』と『雪印乳業史第7巻』を編纂(共著)し、2016年10月よりCSR部に異動。

青山学院大学大学院修士課程修了、雪印メグミルク(株)時代に、一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務コース博士後期課程を単位取得退学。

なお、業務の傍ら、トライアスロンの草創期にハワイ等のアイアンマンレースを3回完走した。

 



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