◆SH1433◆コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(17)-合併組織の実態とコンプライアンス課題 岩倉秀雄(2017/10/13)

コンプライアンス経営とCSR経営の組織論的考察(17)

――合併組織の実態とコンプライアンス課題――

経営倫理実践研究センターフェロー

岩 倉 秀 雄

 

 前回は、マーチ&サイモンのコンフリクトの発生メカニズムに関する研究を踏まえ、どうすればマネジメントの困難性を減じてコンプライアンスを組織文化に浸透・定着できるのかについて、方向を検討した。

 合併組織では、組織文化の違いや共同意思決定の必要性が高いにもかかわらず、組織成員間に目的の差異や知覚の差異、あるいはその両方が大きく、コンフリクトが発生しやすく、かつ組織の統制力が十分に確立されていない。仮に統制の裏づけである公式権限や公式の調整メカニズムがあったとしても、その機能が効果的に発揮されるために必要な共通の組織文化や相互信頼関係が確立されていないので、コンフリクトが顕在化しやすくマネジメントの困難度が高くなる。

 そこで、筆者は、マネジメントの困難度を下げる以下の2方向を提唱した。

  1. A: コンフリクトの発生そのものを抑える
  2. B: コンフリクトが発生しても、組織内に統制力(公式権限や調整メカニズム)を働かせて、コンフリクトの顕在化を抑制する

 今回は、それに基づく具体的な取組みを考察する前に、知っておくべき合併組織の実態とコンプライアンス課題について、筆者の合併組織における経験を踏まえて確認する。

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(いわくら・ひでお)

経営倫理実践研究センターフェロー、日本経営倫理士協会主任フェロー研究員。

1976年北海道大学農学部卒、全国酪農業協同組合連合会(全酪連)に入会し、全酪連乳業統合準備室長兼日本ミルクコミュニティ(株)設立準備委員会事務局次長、日本ミルクコミュニティ初代コンプライアンス部長。雪印メグミルク(株)社史編纂室で、『日本ミルクコミュニティ史』と『雪印乳業史第7巻』を編纂(共著)し、2016年10月よりCSR部に異動。

青山学院大学大学院修士課程修了、雪印メグミルク(株)時代に、一橋大学大学院国際企業戦略研究科経営法務コース博士後期課程を単位取得退学。

なお、業務の傍ら、トライアスロンの草創期にハワイ等のアイアンマンレースを3回完走した。