◆SH1415◆実学・企業法務(第83回) 齋藤憲道(2017/10/02)

実学・企業法務(第83回)

第2章 仕事の仕組みと法律業務

同志社大学法学部

企業法務教育スーパーバイザー

齋 藤 憲 道

 

企業法務の形成とその背景

3)法務と知財の重要性が増大した背景

③ コンプライアンス活動の浸透

 日本では、特に1990年代のバブル経済崩壊以降、社会が著しく変化した。経済変動及び価値観の変化に伴って多くの法律が制定・改正され、自由・公正・透明の理念を基調とする新しい社会秩序が醸成されて、法令違反を許さない風潮が強まった。それまで黙認・看過されてきた慣習の弊害も、厳しく指摘されるようになる。

 企業の法令違反や事故等の不祥事が発覚した場合は、事実関係を調査・分析して原因を究明し、応急措置を講じたうえで恒久措置を検討し、併せて関係者の社内処分を行うことが求められる。再発防止を目的とする社内教育においては、法令遵守(狭義のコンプライアンス)を企業の最低限の義務と位置づけ、社会の要請に応える企業倫理(広義のコンプライアンス)を実践することを求めるようになった。

 企業内のこのような取組みを社会に説明するように求められることが多くなり、特に不祥事に対応する際は、全ての経営判断について法的分析の裏付けが欠かせなくなった。

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(さいとう・のりみち)

1971年東京大学法学部卒業。同年松下電器産業㈱に入社し、営業、経理、経営企画、法務の業務を担当。松下電子部品㈱経営企画室長、松下電器産業㈱法務本部法務部長、JVC・ケンウッド・ホールディングス㈱監査役等を経て、2009年パナソニック㈱を退職。損害保険ジャパン日本興亜㈱ 業務品質・コンプライアンス委員会委員長を歴任。

また、内閣府消費者委員会委員(2015年秋退任)、消費者安全調査委員会臨時委員(現)、製品事故判定第三者委員会合同会議議長(現。消費者庁と経済産業省合同)、国民生活センター紛争解決委員会委員(現)、経済産業省産業構造審議会臨時委員、神戸市公正職務審査会委員(現)

 




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