◆SH1393◆日本企業のための国際仲裁対策(第53回) 関戸 麦(2017/09/14)

日本企業のための国際仲裁対策

森・濱田松本法律事務所

弁護士(日本及びニューヨーク州)

関 戸   麦

 

第53回 国際仲裁手続の終盤における留意点(8)-ヒアリング後の手続

4. 最終主張書面の提出

 ヒアリング後の手続として、まず挙げられるのは、最終主張書面(post-hearing brief)の提出である。前回(第52回)述べたとおり、この最終主張書面は、一般的に、ヒアリングの結果を踏まえて、争点に絞って記載される。

 提出の時期については、申立人(Claimant)及び被申立人(Respondent)が同時に提出することが一般的である。

 

5. コストの提出

 コストの提出(cost submission)とは、申立人及び被申立人がぞれぞれ、自らが仲裁手続に要したコストの額を仲裁廷及び相手方当事者に伝えるものである。最終の仲裁判断(final award)では、通常、仲裁手続に要したコストを申立人と被申立人のいずれが負担するかを具体的に金額を示した上で定めるため、その判断の前提として、コストの提出が一般的に行われる。

 ここでいう「コスト」の範囲について、ICC(国際商業会議所)の仲裁規則は、以下のものを含むと定めている(38.1項)。

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(せきど・むぎ)

森・濱田松本法律事務所パートナー弁護士。訴訟、仲裁等の紛争解決の分野において、Chambers、Legal 500等の受賞歴多数。『日本企業のための米国民事訴訟対策』(商事法務、2010年)等、国際的な紛争解決に関する執筆、講演歴多数。
1996年東京大学法学部卒業、 1998年弁護士登録(第二東京弁護士会)、森綜合法律事務所(現在森・濱田松本法律事務所)入所、2004年シカゴ大学ロースクール(LL.M)卒業、 ヒューストン市Fulbright & Jaworski法律事務所にて執務、2005年ニュ-ヨーク州弁護士登録、2007年東京地方裁判所民事訴訟の運営に関する懇談会委員、2009年日本弁護士連合会民事裁判手続に関する委員会委員(現在副委員長)、2012年第二東京弁護士会司法制度調査会訴訟法部会部会長等。

 



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